記録・沖縄「集団自決」裁判

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記録・沖縄「集団自決」裁判

  • 著者名:岩波書店【編】
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  • 岩波書店(2025/11発売)
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  • ISBN:9784000225908

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内容説明

作家の大江健三郎氏と岩波書店を被告として,2011年4月まで,5年にわたって争われた裁判の記録.なぜ,誰によって提訴は行われたか.争点は何だったか.大江氏・岩波を勝訴とした地裁・高裁・最高裁判決の意義は何か.弁護団による詳細な裁判報告とともに,大江氏自身の論考,表現の自由をめぐる論考,沖縄現地の支援の動きなどをまとめる.

目次

はじめに   (岩波書店)
I 沖縄「集団自決」裁判勝訴の意味
1 五年間の裁判を闘って   大江健三郎
「人間をおとしめる」とはどういうことか――沖縄「集団自決」裁判に証言して
誤読・防諜・「美しい殉国死」――沖縄「集団自決」裁判地裁判決を聞いて
近い将来への「証言」を求める――沖縄戦裁判を終えて
2 歴史修正主義者たちとの闘い
インタビュー
浮かび上がる「靖国」の思想   高橋哲哉
――教科書修正の背後にあるもの
ある教科書検定の背景   目取真俊
――沖縄における自衛隊強化と戦争の記憶
沖縄戦「集団自決」訴訟という虚構   目取真俊
――史実の歪曲を退けた控訴審判決
3 表現の自由をめぐって
名誉毀損と表現の自由   奥平康弘
『沖縄ノート』訴訟と表現の自由   松井茂記
4 「沖縄戦」の本質と裁判
インタビュー
沖縄は「捨て石」だった   外間守善
インタビュー
軍隊との「共死」の道連れにされた住民   大田昌秀
「大江・岩波沖縄戦裁判」の源流   石原昌家
――なぜ沖縄戦体験は捏造されるのか
5 裁判を通じて見えてきたもの
大江・岩波裁判勝訴と沖縄戦体験継承の意義   村上有慶
――沖縄・市民運動の立場から
体験者の「証言」を伝える   謝花直美
――沖縄・報道の立場から
大阪での支援運動に関わって   小牧 薫
――歴史修正主義とのたたかい
教科書検定――教科書執筆者の立場から   坂本 昇
II 裁判の経過・争点・判決・立証活動等
(被告弁護団)秋山幹男・近藤卓史・秋山 淳
第1 訴えの内容
第2 訴訟の経過
第3 主な争点と裁判所の判断
第4 主張立証活動――自決命令の真実性・真実相当性
第5 本件訴訟の意義
第6 資料

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

いのふみ

5
訴訟提起理由がこじつけ、訴えといて該当書を何年も後に読む、理解できない、他の部分飛ばし読み(法定内失笑)、中の1冊がすでに出庫停止なのを知らない、虚偽証言、書類の提出期限を守らない、恩給で釣って助役のせいにする、自分は自決せず捕虜になって米軍の厚遇に感激し投降を促す右翼。判決を待たず教科書から軍命令の記述を削除する文科省。そもそも『沖縄ノート』は、沖縄の問題を通じ、自身も含めた日本人的性質の論究だった。これは単なる名誉毀損裁判ではなく、有事法制、徴兵制復活にもつなげようとする現在も続いている問題なのだ。2017/06/14

belier

4
大江健三郎『沖縄ノート』の記述で名誉を棄損されたとして、元少佐と元大尉が原告となり大江と岩波書店が被告として争われた裁判の記録。被告の主張はほぼ完全に認められ、被告側の勝訴に終わった。原告の一人はなんと提訴した翌年に本を読んだという証言をした。原告は、政治的な目的を持った者たちから唆されて裁判を行ったのだ。集団自決は住民が自発的に行ったものとしたい、国民は国のために命を捨てるのが美徳という政治思想が背景にあると思われる。当然、数々の証言で自発性は否定されたが、国家主義的な歴史修正主義者の活動は続くだろう。2022/09/08

mustache

3
渡嘉敷島、座間味島の島民が強制され集団死を、島民による自発的な、美しい殉国死とみなせるのかが問われた、裁判の記録。大江健三郎の言葉「罪の巨塊」(『沖縄ノート』)を「巨魁」と誤読・曲解して、名誉毀損裁判の引き金を引いた曽野綾子、原告の訴訟代理人の一人に名を連ねた稲田朋美、判決で虚言と断じられた「宮平秀幸証言」を新証拠と喧伝した産経新聞などのメディア、その証言が矛盾に満ちた捏造であることが明確になった後もなお、荒唐無稽な理屈をこねた藤岡信勝などの醜悪さは、いつまでも記憶に留められるべきだ。2014/10/29

星辺気楽

2
大江健三郎の「沖縄ノート」が当事の守備隊長の名誉を傷つけたとして提訴された民事訴訟の裁判記録である。沖縄の住民が陸上戦の最中に死んだという事実は一つである。その島の「守備」隊長は二人共生き残ったというのも事実である。住民たちは「勝手」に死んだという。守備隊長はなぜ死ななかったのか?軍隊はなぜ最後まで戦わなかったのか?そのことだけをとっても日本軍そして「守備」隊長の責任は大きい。沈みゆく船には最後まで船長が残るべきであろう。この「守備」隊長に大江健三郎を訴える資格があるのか?美しくない日本(軍)だ!2013/09/24

ででちゃん

2
殉国という名の「美しい死」なのか、手榴弾を手渡さ追い詰められての死なのか、 を背景としての民事訴訟について、読み易く書かれている。 感想は控えるが、戦時下の一市民は、客体として何なのか、を今だからこそ 考えてみたい・と思った。2012/11/26

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