内容説明
作家の大江健三郎氏と岩波書店を被告として,2011年4月まで,5年にわたって争われた裁判の記録.なぜ,誰によって提訴は行われたか.争点は何だったか.大江氏・岩波を勝訴とした地裁・高裁・最高裁判決の意義は何か.弁護団による詳細な裁判報告とともに,大江氏自身の論考,表現の自由をめぐる論考,沖縄現地の支援の動きなどをまとめる.
目次
はじめに (岩波書店)
I 沖縄「集団自決」裁判勝訴の意味
1 五年間の裁判を闘って 大江健三郎
「人間をおとしめる」とはどういうことか――沖縄「集団自決」裁判に証言して
誤読・防諜・「美しい殉国死」――沖縄「集団自決」裁判地裁判決を聞いて
近い将来への「証言」を求める――沖縄戦裁判を終えて
2 歴史修正主義者たちとの闘い
インタビュー
浮かび上がる「靖国」の思想 高橋哲哉
――教科書修正の背後にあるもの
ある教科書検定の背景 目取真俊
――沖縄における自衛隊強化と戦争の記憶
沖縄戦「集団自決」訴訟という虚構 目取真俊
――史実の歪曲を退けた控訴審判決
3 表現の自由をめぐって
名誉毀損と表現の自由 奥平康弘
『沖縄ノート』訴訟と表現の自由 松井茂記
4 「沖縄戦」の本質と裁判
インタビュー
沖縄は「捨て石」だった 外間守善
インタビュー
軍隊との「共死」の道連れにされた住民 大田昌秀
「大江・岩波沖縄戦裁判」の源流 石原昌家
――なぜ沖縄戦体験は捏造されるのか
5 裁判を通じて見えてきたもの
大江・岩波裁判勝訴と沖縄戦体験継承の意義 村上有慶
――沖縄・市民運動の立場から
体験者の「証言」を伝える 謝花直美
――沖縄・報道の立場から
大阪での支援運動に関わって 小牧 薫
――歴史修正主義とのたたかい
教科書検定――教科書執筆者の立場から 坂本 昇
II 裁判の経過・争点・判決・立証活動等
(被告弁護団)秋山幹男・近藤卓史・秋山 淳
第1 訴えの内容
第2 訴訟の経過
第3 主な争点と裁判所の判断
第4 主張立証活動――自決命令の真実性・真実相当性
第5 本件訴訟の意義
第6 資料
感想・レビュー
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