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内容説明
破裂する水道管、陥没する道路――
危機は今、そこにある。
なぜ事故が続発するのか。
50年前から続く原因を明らかにし、崩壊を食い止める具体策を提案する。
<「はじめに」より>
インフラの共通点は、コンクリート、金属、プラスチック、木材など、もともと寿命が有限の素材で作られている点である。公共施設や橋、水道管などに寿命があることはわかりやすいだろう。土や石でできた道路は寿命が無限に見えるが、路面を舗装しているアスファルトやコンクリートには寿命がある。インフラは時がたてば次第に機能が劣化し、いずれは何らかの障害が発生することになる。
何年使えるかは、インフラの種類ごとに目安が存在する。水道管は40年、下水道管は50年、橋や建築物は60年、道路舗装のアスファルトやコンクリートは15年である。目安の期限を過ぎてもすぐに壊れて使えなくなるわけではないが、壊れる危険性が増すことは間違いない。逆に、目安の期限が来る前に壊れることも珍しくない。
どのような障害が発生するかはインフラの種類によって異なる。公共施設(建築物)では倒壊、雨漏りなど、道路はひび割れや陥没、橋りょうは崩落、水道管は破裂や断水が生じる。詳細は、第1章の「放置シナリオ」で紹介する。
いずれにせよ、インフラ老朽化は国民の生命や生活に甚大な影響を与えかねない問題である。序章で述べる「2040年の日本崩壊 衝撃の近未来予測」は、単なる妄想や脅しではない。十分な対策を速やかに講じない限り、実際にそうなってしまいかねない現実なのである。
目次
序章 2040年の日本崩壊 衝撃の近未来予測
第1章 インフラ老朽化問題はなぜ起きたのか
1 インフラ整備の歴史に根ざす問題の本質
2 インフラ投資パターンから見る原因
3 問題を解決するための3つのシナリオ
第2章 インフラは今どのような状態なのか
1 インフラには公共施設と土木インフラがある
2 公共施設の現状と老朽化
3 土木インフラの現状と老朽化
4 公共施設と土木インフラの相違点のポイント
第3章 インフラ老朽化問題の解決方法
1 公共施設と土木インフラの対策はまったく異なる
2 機能を維持して量を削減する方法
3 量を維持して費用を削減する方法
4 施設やネットワークを使わない方法
5 サービスの受け手が移動する方法
6 収入を増やす方法
第4章 「省インフラ」でインフラを持続させる
1 省インフラという価値観への転換
2 拠点を選択し集中投資する省インフラ
3 シミュレーションでわかる大幅削減効果
第5章 選択と集中を行うコンパクトシティへの転換
1 拠点を設定するという大問題
2 合意形成を進めるための方法
3 合意形成に役立つ工夫
おわりに
参考文献



