天使の哲学 - 中世哲学入門講義

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天使の哲学 - 中世哲学入門講義

  • ISBN:9784766430707

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内容説明

天使は中世版AI!?

身体なき完ぺきな知性である天使に、中世はなぜ熱狂し、何を求めたのか――。
「完ぺき」だからこそ悪魔に堕落する、その矛盾に人と天使だけがもつ「自由」を追究する。中世哲学を「天使」で攻略する入門書。

中世では、天使は神と人間の中間に位置し、「人間とは何か」という問題を解明するカギとして盛んに議論された。
ときには天体の動かし手として、世界統治を司る「大臣」として、さらには中世版AIのような身体なき純粋知性として、つねに天使は哲学の中心にあった。

本書は、古代ギリシアから受け継いだ世界観を背景に、プラトン主義・アリストテレス主義という二大伝統を経由して、トマス、スコトゥス、オッカムら代表的な哲学者によって「天使論」が〈存在論〉〈認識論〉〈倫理学〉として体系化される軌跡をたどる。

近現代にたしかに息づく知と自由への渇望に、天使と悪魔がいざなう中世哲学入門――

目次

はじめに

第一章 この世界はどのようにして始まったのか―プラトン主義と「創世記」

第二章 天使のいる「世界」―ヒエラルキーを求めて

第三章 天体を動かす天使たち―アリストテレス主義と世界の永遠性

第四章 そもそも天使は存在するのか―プラトン主義とアリストテレス主義の総合

第五章 天使は身体をもつのか①―聖書からトマスまで

第六章 天使は身体をもつのか②―トマスとボナヴェントゥラの対立

第七章 思考実験としての天使の知―「身体なき精神」は何を思うか

第八章 中世版AI?―生得説と経験論の対立

第九章 悪という自由―主知主義から主意主義へ

第一〇章 悪への固執―自由の究極

終章 宇宙から天使が消えた後―善悪を生きる人間の哲学

引用文献 
読書案内 
あとがき 
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

有智 麻耶

2
キリスト教を背景としているがゆえにとっつきにくさのある中世哲学の概要を、神と人間との間に位置づけられた被造物である「天使」を切り口とすることで、とても見通しよく提示している。存在論や認識論、倫理学といった分野における「天使」の在り様は、人間がいかなる存在であるかということに関わっていた。本書から始めて、山内志郎などの中世哲学研究に進んでいけるとよいと思う。2025/11/15

彼方から

0
中世スコラ哲学において論じられてきた天使に関する問題はこれまで瑣末なこと、どうでもいいことのように思われてきた。だが実は哲学の本質的な問題に対するアプローチの重要な一形態である、という極めて興味深い立場の入門書。天使を軸にしたことで、論点が具体的になっていてわかりやすい。書き方もさっぱりしていて、哲学入門としておすすめの一冊。2025/11/02

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