内容説明
大手デベロッパーのエリート社員だった浜地は、とある事情から閑職に追いやられて自己都合退職し、どうにか中堅ゼネコンの契約社員となる。だが、そこで任されたのは、ショッピングモール建設工事現場の安全衛生管理責任者。……俺、未経験なのに!? 浜地の教育担当となった松本は、度を超えた厳しさで安全指導をする男。……バカ真面目すぎる。だが、浜地はやがて知ることになる。松本の行動に隠された本当の目的を――。ユーモア+苦み+スリルを混合してミキシング! 唯一無二の読後感が待ち受ける工事現場ノベル、堂々完工!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
140
独自の視点から「身体」「筋肉」「仕事」に執着…否もはや拘泥しつつ深堀する、オモロセツナイ作品群を世に放つ石田さん。今作はニッチに過ぎる工事現場「衛生管理責任者」業務に焦点を。訳あって大手デベロッパーを退職し、台島建設に仮面就職した中年男・浜地。浜地の教育係で"鬼安全"に拘る曲者・松本。工事現場の土の匂い、現場の騒音と喧騒、現場職人のガチ口論のリアル描写。めんどくさすぎる安全屋・松本には、ある「秘密」が―。浜地の小心っぷりも含め、石田さんの生み出すキャラ達の醸す独特の悲哀は、やはり何故か不思議と憎めない。2026/01/20
シナモン
97
まさか自分が工事現場で働くなんて。大手企業を辞めたことを家族に言えず途中のトイレで着替えて職場に向かう主人公浜地。安全管理の仕事をすることになるが教育担当の松本は度を超えた安全ルールの徹底を強いる男だったー。工事現場を舞台にしたお仕事小説。緻密な描写、まるで工事現場にいるよう。松本の安全に対する徹底ぶりはユーモアを誘うがその裏にあった事情にやり切れなさを感じる。石田夏穂さん、やっぱり面白い。 2025/12/16
ネギっ子gen
85
【目ぼしい企業に履歴書を送りつづけたが、ことごとくがなしのつぶてだった。】重大事故の“引責”で屈辱的な辞令を受けた大手デベロッパーの積算部長・浜地は、憤然と職を辞し“新天地”を求めるも、そこで大苦戦。「転職エージェント」に頼って、中堅ゼネコンの契約社員となり、建設工事現場の安全衛生責任者に――。ディテールに注目。ヨイか、ヨシ!<浜地も実際に失敗を重ねてみてわかったが、新卒からずっと同じ会社にいたオッサン、それもそこそこ偉くなっちゃったオッサンの身柄などはどこも引き取ってくれないのだ>と。これが現実で……⇒2025/12/14
ケンイチミズバ
76
CMは転職を煽っているかも。私も若い頃に考えなくもなかったけど。以前、東京ソナタという映画を見た。リストラされたことを家族に言えない、今はショッピングモールの清掃員の父親役が香川照之さん。作品の彼は、大手ゼネコン本社積算部から今は工事現場。スーツで家を出てトイレでワークマンに変身。安全靴・ヘルメット・ハーネス、そして安全違反を知らせるホイッスル。私も労働安全衛生管理士国家資格を持ってます。安全管理をあまりうるさく言うと作業が中断され工期が伸びる。設計も作業もやり直しで工事損失が増える。それでも安全第一!?2025/12/16
ゆみねこ
72
大手デベロッパーで積算ひとすじに働いてきた浜地は、とある出来事をキッカケに会社をやめた。再就職に苦戦しようやく中堅ゼネコンの契約社員になるが、そこで任されたのはショッピングモール建設現場の安全管理。教育担当の松本は度を超えた厳しさで現場を混乱させる。松本の行動の真の目的、浜地の家庭の事情。軽く読めるが中々深い内容で面白く読了。2025年読み納めの1冊、石田夏穂さん初読み。2025/12/31




