白水Uブックス/海外小説 永遠の本棚<br> 義とされた罪人の手記と告白

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白水Uブックス/海外小説 永遠の本棚
義とされた罪人の手記と告白

  • ISBN:9784560072523

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内容説明

ゴシック・ロマンスの最高峰

17世紀末のスコットランド、地方領主コルウァンの二人の息子は、両親の不和により別々に育てられた。明朗快活で誰にでも愛される兄ジョージと、厳格な信仰をもつ母親のもとで陰鬱な宗教的狂熱の虜となった弟ロバート。自分が神に義認されあらゆる罪を免れていると信じるロバートは、17歳の誕生日に出会った不思議な力を持つ人物に唆されるまま、恐ろしい行為を重ねていく。変幻自在にその姿を変える〝謎の友人〟の正体は? そして政治的対立に揺れる議会開催中のエディンバラで、兄弟の宿命的な確執はついに衝撃の結末へ……。奇怪な事件の 末が異なる視点から語られ、重層するテクストが読者を解釈の迷宮へと誘う。小説の可能性を極限まで追求し、アラスター・グレイらの現代作家にも多大な影響を与える、ゴシック小説隆盛の掉尾を飾る傑作にして早過ぎたポストモダン小説。(『悪の誘惑』改題)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

63
多重構造となった癖強い作品。事実を基にして編者主観で語られる第一章。そこから匂うのは糾弾者であり、様々な非難を浴びながらも無罪とされ、消失した、ロバートの胡散臭さ。ロバート自身の手記となる第二章で彼へ抱いた直感は正しかったと確信した。幼い頃からロバートは、傲岸不遜だが自己保身に強く、信仰を盾に独善を為すなどと不愉快極まりない。そういう者こそ、悪魔が堕とすのに最も相応しかったのだろう。最新の解説で『哀れなる者たち』に影響を与えた事よりも作者が(最近、逝去した)アリス・マンロー女史の先祖である事の方が衝撃だ。2024/05/24

tosca

33
19世紀に書かれたとは思えない程読み易い。「編者が語る」で事件のあらまし、「罪人の手記と告白」にて当事者による経緯、そして「再び編者」という構成になっている。「神によって義とされた人間はどんな行為も許される」という悪魔が入り込む隙が有り有りの宗派は熱狂しやすいのかも。同じ事柄を第三者の視点「編者」と逆から見た「手記」で書かれているのが面白い。自惚れが強く自分を過大評価し人を蹴落とし罵倒するタチの悪い男に、悪魔は甘い言葉で近寄ってくる。本人だけがそいつが悪魔だと気付かない。こんな人、なんか最近ニュースで見る2024/09/03

アンパッサン

5
清貧、プロテスタンティズムが内包する潔癖性を打ち倒すことは、魔軍の誉れなのかもしれない。世俗的で地位も経済力も持ち合わせている兄に、弟は嫉心を抱いていた。そこをあの魔人に付け込まれた(登場シーンが素晴らしい)。愛する母と尊崇する義父をもないがしろにして、ついにはその手を汚してしまうのだが、顛末はまるで実話怪談。記憶も実感もだんだん不明瞭になって…なんともいたたまれない。三度変わる視点を乗り越え進む本書、読み応え、めちゃあります!2024/08/06

アヴォカド

3
読書会のため、2読目。2024/05/21

biwacovic

2
アラスター・グレイ『哀れなるものたち』の元ネタと聞いて鼻息荒くして読んだ。恐るべき面白さ。多層的な語りと、簡潔にして時に装飾的な文章の面白さ。狂気、神学、生活、闘争、道徳律廃棄論、さらにこの「墓場から発見された手記」という体裁の18世紀の小説を、2024年に「発見」して読んでいるという感覚が静かな興奮を引き起こす。2024/04/13

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