内容説明
「自分の痛みと似たような痛みがどこかの誰かの物語の中に潜んでいることに心強くなって、荒々しい現実が生きるに値するもののような気がしてくる、ああいう瞬間を生きたいといつも思っている。それは私たちの生きざまを、効率よくはしないかもしれないけれど、どこかで少し豊かにする」(「おわりに」より)。
小説、漫画、映画、ドラマ、etc――。数多の物語に登場する女性たちの姿から、迷路のような女の人生をサバイブするヒントを探る『ダ・ヴィンチ』の人気連載がついに書籍化。
新井すみこの連載イラストもフルカラーで収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
20
某誌巻末での月一連載の内容をまとめたエッセイ。鈴木涼美氏の文体の魅力は、家系的学術的な側面をはじめとする部分と、別な側面をはじめとする人生経験豊富な話題を一切隠さず、むしろネタにして作品にも落とし込んでいるところ。この方面で現役バリバリの作家で小説も書けてコメンテーターをはじめマルチな活動をしているのは、紗倉まな氏と、本書の鈴木涼美氏ぐらいでは? 他に居たら教えて下さい。そんな著者が描く本書は連載誌も配慮してか? 毎話何らかの作品が絡む内容で女性に対する激励や恵与にも思えるのだ。男の私が読んでも興味深い。2026/01/25
漆虎太郎
13
実に面白く読み易く、作者の文才に脱帽。女性の日常下の些細な振る舞いや言動に、そんな思いが潜んでいるなんて、鈍感な我々男性陣には気づくよしもなく、現代女性を知るに必見の書ではないでしょうか。また、それほど大層なことではないけれど、言葉にはできないけど何かモヤモヤっと胸の奥に渦巻いている心情を見事に表現化するその独自視点と表現力は忖度と抑圧に晒されている我々をなぜかすっとさせてくれるように感じました。鈴木涼美さん、もっとアチコチでエッセイ書いてほしい!!!2026/03/02
geki
6
連載エッセイ。アラフォー女性の女性観。男性は書くに値しないんだろうね。表も裏もさらけ出しますよといったこの手の丸裸本は見かけたことがない(たぶん売れない)が、女性をテーマにしたエッセイや小説は山ほどある。鈴木さんの描く女性たちは、自分を解放し、幸せを享受しているかのように見えるが、あまり余裕があるとは思えない。彼女のいう今の女性たちが多くのものを背負いすぎているからなのか。男性女性の区別を大っぴらにいえない時代ではあるが、女性を語る言葉はとても雄弁だ。しかし、野郎にとっては、女性はやはり永遠の秘密の花園。2026/02/22
FuSa
5
あまりエンタメ作品に明るくなかったけど楽しめた。母になった鈴木さんの文章を今後読むのが楽しみに。2026/05/07
うる
4
挿絵の漫画家さんの絵が好きで購入。有名雑誌にて連載されていたエッセイを纏めた本。 著者の経験を中心に書かれているが、漫画やアニメ、映画や小説の登場人物などが引用されており、著者の博識さを感じ感動した。 仕事や恋愛や結婚等で悩む自身に、読む度に勇気をくれたように感じた。 恥ずかしながら、著者のことはこちらを読むまで存じ上げなかった。小説も書かれていることを知ったので(なんと芥川賞候補!)、こちらも読んでいきたい。2026/04/25




