内容説明
「自分の痛みと似たような痛みがどこかの誰かの物語の中に潜んでいることに心強くなって、荒々しい現実が生きるに値するもののような気がしてくる、ああいう瞬間を生きたいといつも思っている。それは私たちの生きざまを、効率よくはしないかもしれないけれど、どこかで少し豊かにする」(「おわりに」より)。
小説、漫画、映画、ドラマ、etc――。数多の物語に登場する女性たちの姿から、迷路のような女の人生をサバイブするヒントを探る『ダ・ヴィンチ』の人気連載がついに書籍化。
新井すみこの連載イラストもフルカラーで収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
19
某誌巻末での月一連載の内容をまとめたエッセイ。鈴木涼美氏の文体の魅力は、家系的学術的な側面をはじめとする部分と、別な側面をはじめとする人生経験豊富な話題を一切隠さず、むしろネタにして作品にも落とし込んでいるところ。この方面で現役バリバリの作家で小説も書けてコメンテーターをはじめマルチな活動をしているのは、紗倉まな氏と、本書の鈴木涼美氏ぐらいでは? 他に居たら教えて下さい。そんな著者が描く本書は連載誌も配慮してか? 毎話何らかの作品が絡む内容で女性に対する激励や恵与にも思えるのだ。男の私が読んでも興味深い。2026/01/25
geki
5
連載エッセイ。アラフォー女性の女性観。男性は書くに値しないんだろうね。表も裏もさらけ出しますよといったこの手の丸裸本は見かけたことがない(たぶん売れない)が、女性をテーマにしたエッセイや小説は山ほどある。鈴木さんの描く女性たちは、自分を解放し、幸せを享受しているかのように見えるが、あまり余裕があるとは思えない。彼女のいう今の女性たちが多くのものを背負いすぎているからなのか。男性女性の区別を大っぴらにいえない時代ではあるが、女性を語る言葉はとても雄弁だ。しかし、野郎にとっては、女性はやはり永遠の秘密の花園。2026/02/22
manabukimoto
2
周到な言葉の積み重ねで、読者を圧倒する鈴木さんの最新エッセイ。 本やコミックに登場する「彼女」たちの考察から見えてくる、現代社会。 「崇高なヒロインに過去などいらない?」の章。己の軽薄さはトラウマ級の原体験の無さでは、とう自己分析の後に言及される「成瀬あかり」。 夏を西武百貨店に捧げたり、けん玉やお笑いを極めたり。「思春期の凡人であればよほどの壮絶な心の傷でもない限り、そんな勢いは生まれないだろう」p82 ことをやり遂げる成瀬に、「本当にす崇高な女は壮絶な過去や非凡な生育環境など不要と説く。なるほど! 2025/12/06




