内容説明
心をもつロボットを作る試みは、これまで失敗を重ねてきた。なぜか。その核心は「計算量の爆発」にある。第I部ではコンピュータの歴史をふまえて、量子コンピュータによる解決の方向性と、心を環境のなかで生態学的に捉える視点の重要性を論じる。第II部では生物進化の観点から意識の役割を論じ、情報社会における適応の道を探る。
目次
はしがき
第I部 心をもつ機械
第一章 認知科学の誕生──心は構成できるか
物と心の分離
心の地位の回復
認知科学の方法
人工知能の開発
心の人称分類
心の評価の社会性・相対性
まとめ
第二章 対話するコンピュータ──言語は論理的か
チューリングマシン
記号論理学と表象計算
言語の形式化と普遍文法
機械翻訳と多義性の解消
言語行為の社会的状況
まとめ
第三章 問題解決システム──知識は真実の記述か
一般問題解決器の原理
エキスパートシステムと知識技術者の奮闘
知識の全体性
知識の社会性
まとめ
第四章 創造的発見をするプログラム──計算量を克服できるか
実時間性という制約
情報量と計算量
完全情報ゲームと計算量の爆発
チェス専用コンピュータ
大局観とフレーム問題
暗黙知と技能
創造性をめぐって
まとめ
第五章 量子コンピュータに向けて──物はそこに存在しているか
理解と量子効果
時空間の相対性
波の性質をもつ粒子
奇妙な確率的分身
観測問題と心の余地
量子コンピュータの可能性
まとめ
第六章 世界のなかに生きるロボット──心はどこにあるのか
心のありか
孤立的存在から全体的存在へ
認知の環境依存性
身体性と世界への関与
まとめ
第II部 コミュニケーション器官としての意識
第七章 生物進化の構図──心はいつ現れたのか
進化の現代総合説
人工生命と遺伝的アルゴリズム
進化シミュレーションの計算量
生物の階層分類
心と意識の成立
まとめ
第八章 認知神経科学の展開──脳で心を説明できるか
神経細胞のモデル化
神経回路網研究とその限界
記号主義と結合主義
脳生理学の発展
認知科学の脳への展開
まとめ
第九章 心的機能のモジュール構造──認知も進化の産物か
社会的コミュニケーション
生存競争における社会的戦略
ジレンマ状況の対応戦略
4枚カード問題と裏切り者発見
一万年前の認知考古学
心のなかの社会
まとめ
第一〇章 意識の諸性質──記憶は体験の記録か
無意識の私
意識と無意識の情報的分離
合理化するサル
記憶は世界観の現れ
私という物語
主体性の情報操作
まとめ
第一一章 意識の進化的意義──自分を知ってから他者を知るのか
他者の心を読む
心的機能の男女差傾向
社会的取引から自己概念成立へ
コミュニケーションにおける意識の役割
まとめ
第一二章 情報ネットワーク社会における意識──コミュニケーション革命に適応できるか
毛づくろいからゴシップへ
一五〇人の壁を越える
情報ネットワーク社会の文脈問題
情報ネットワーク社会に生きる
将来の可能性を探る
まとめ
あとがき
索引
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ゆで卵/yuki
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yu-ente-isra
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