内容説明
メディアを介する人と人とのコミュニケーション過程に焦点をあててきたコミュニケーション論とは異なり、本書は、原基的メディアとしての身体と、メディアの世界構成的機能としての情報空間の形成に着目する。メディアとしての身体の役割とは。情報空間の変容は人間の関係をどのように変化させるのか。社会情報学の新たな試み。
目次
はじめに
第1章 コミュニケーション論の系譜と課題[正村俊之]
1.世界観としての全体主義・個体主義・関係主義
2.コミュニケーション論の黎明期
3.コミュニケーション論の5つの系譜
4.二つの問題系――「自己と他者(個人と社会)」「物質と意味」の関係性
5.「身体」「メディア」「情報空間」
第2章〈身体メディア〉の思想史[大黒岳彦]
1.〈メディア〉と身体
2.デカルト的身体把握構図の廃却
3.非デカルト的身体論の二つの系譜
4.「行動的身体」論の系譜
5.「キアスム」の問題性――「行動的身体」から「情動的身体」へ
6.「情動的身体」論の系譜
7.〈身体メディア〉論の構築に向けて
第3章 情報・身体・情念――情報についての非認知主義的アプローチの試み[山内志朗]
1.情報から情念へ
2.西洋的情念論の系譜
3.ストア派の情念論
4.ペリパトス派の情念論
5.荻生徂徠の情念論
6.徂徠の性情論
7.存在論と情念論の関連
8.徂徠の礼楽論
9.礼楽から普遍数学へ
10.アウグスティヌスの音楽論
11.リズムの形而上学
12.結語
第4章 タルドのコミュニケーション論再考――コンピュータと接続するモナドの時代に[伊藤守]
1.タルドの再評価のために
2.『世論と群集』という書物
3.モナド論
4.模倣の概念
5.タルドの現代性
第5章 「ライフログ」という斥候・〈規準社会〉という前線――“限られた”情報社会を生きる私たちのために[柴田邦臣]
1.社会情報学基礎論――論じるべき前線の露出
2.福祉社会という<前線>、ライフログという<斥候>
3.まとめにかえて――<規準>社会という“前線”
第6章 〈情報〉と〈世界の創出〉――社会情報学基礎論の三つの貢献[遠藤薫]
1.社会情報学基礎論の構想
2.「情報」とは何か?――シニフィアンとしての「情報」とシニフィエとしての〈情報〉
3.社会とは何か?――〈情報〉と〈社会〉の双対性
4.〈モノ〉の情報学――社会人類学的視座から考える〈情報〉
5.〈社会〉は不断に変化する。変化する〈社会〉とは何か?
6.〈現代社会〉の諸問題――〈情報〉の希少性とリスク
7.おわりに――東日本大震災の彼方に
第7章 金融恐慌にみるコミュニケーションの成立機制――神・貨幣・情報空間[正村俊之]
1.なぜ金融恐慌なのか
2.金融恐慌とは何か
3.宗教的コミュニケーション――個体主義的コミュニケーション論の対極
4.信頼(信用)・貨幣・市場
5.金融恐慌のコミュニケーション論的分析
6.コミュニケーションの個体主義的モデルと全体主義的モデルを乗り越えて
索引



