理系の読み方 - ガチガチの理系出身作家が小説のことを本気で考えてみ

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理系の読み方 - ガチガチの理系出身作家が小説のことを本気で考えてみ

  • 著者名:大滝瓶太
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 誠文堂新光社(2025/11発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784416723685

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内容説明

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★ヨビノリたくみ氏(教育系YouTuber)推薦!★
「この熱量で話しかけてくる大学院生時代の友人を思い出しました。
 理系の良いところと悪いところの全てが詰まった一冊です!」
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『変身』(カフカ)、『百年の孤独』(ガルシア=マルケス)、『灯台へ』(ウルフ)、『これはペンです』(円城塔)……。
古今東西の名作を題材に、理系のバックグラウンドを持つ作家・大滝瓶太が小説を理系的に読み解く読書エッセイ。

小説の「ジャンル」って誰が決めてるの?
「メタフィクション」ってなんであんなにとっつきにくいの?
「一人称」「三人称」みたいな「人称」って、結局何がどう違うの?

こういう「文学っぽい」話題に、物理や数学といった理系的な見方を加えると、小説の仕組みがグッとクリアに見えてきます。
たとえばカフカの『変身』や『城』を熱力学的に読んでみるとどうなるか、ミステリはなぜ解けるのか、いい感じの文章が小説っぽく見えるのはどうしてか……この本では、あの手この手で文学作品を理系的に読んでいき、「ただの言葉の積み重ねが、どうして『小説』になるのか」という大きな謎にまで迫ります。

つまりこれは、「小説ってなんでおもしろいんだろう?」という問いに、理系的なアプローチで挑む読書体験。
小説は難しそうで敬遠してきた人にこそおすすめしたい、新感覚の読書ガイドです。

目次

はじめに わたしが「理系」だった頃

■講義編
【第1回】小説を『解く』(前編)――カフカ作品と熱力学
【第2回】小説を『解く』(後編)――小説に働く力
【第3回】小説を『近似』する――『よくわからない小説』をどう読むか?
【第4回】小説を『使いこなす』(前編)――『ゲーム』としての小説!?
【第5回】小説を『使いこなす』(後編)――解ける謎と解けない謎
【第6回】小説を『読む』(前編)――『ノイズ』がもたらす「知」
【第7回】小説を『読む』(後編)――小説は役に立つのか?
【第8回】小説を『小説する』――危険な読書体験?
【最終回】小説を『書く』――小説はカンタンだ!

文理横断ブックレビュー
手計算の美学/怪異たちの進化論/執着からは人間のにおいがする

■実践編
作家たちの犯行の記録――特殊設定ミステリ試論
幽体離脱する「私」――「拡張された私小説」としての滝口悠生

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

22
古今東西の名作を題材に、理系のバックグラウンドを持つ作家・大滝瓶太が小説を理系的に読み解く読書エッセイ。ガチガチの理系出身作家がカフカの『変身』や『城』をどう読むか、ミステリはなぜ解けるのか、なぜいい感じの文章が小説っぽく見えるのかなど、小説を物理や数学の視点から読み解く試みを紹介していて、例えばカフカの『変身』を「非平衡状態から平衡状態への緩和過程」と捉えてみたり、ミステリや現代文学を題材に、語りの技術や構造の精密さに注目したり、思考の実験室として理系的な方法で挑んでいく姿勢はなかなか新鮮な試みでした。2025/11/03

げんなり

4
とにかく「小説」が好きって感じが真っ直ぐに伝わってきて、とにかく楽しく読み終えた。最後の「幽体離脱する『私』」が曲者で、それは多分僕がまだ滝口悠生作品を読んだことがないからかなとも思うのだけど、それでも最後の『目の前にあるテクストのことを、私たちは私たちが思っている以上に何も知らない。』の文に目の前の霧が晴れたような気分になった。 本書で幾度か出てくる『小説はどうして書けてしまうのか』という問題は理系の読み方でもまだはっきりとはしてないみたいだけど、だから著者のもっと突っ込んだ文芸評論を読んでみたい。2025/10/26

startvalue

0
★★★★2025/11/22

茜あゆむ

0
理系知識をアナロジーにして、小説を読むというこれまでなかった、新しい小説の読み方を提示してくれる。理系、文学と並ぶと難しそうに感じるが、その二つを比喩的に結びつけ、そのどちらも解きほぐすような感触のエッセイとも読める。けれど、小説って何だ?小説の面白さって?と考えたい創作家にこそ読んでほしい本かもしれない。純文学とエンタメを同時に考えられる小説・文芸技巧にかんしては、私も著者と同じ思いがある。ただ読んでも面白く、より読むことでさらに面白くなる。こう書いたときの『読む』の意味の差を、私は考えたいのだと思った2025/11/01

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