光文社新書<br> 「殺された側」から「殺した側」へ、こころを伝えるということ

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光文社新書
「殺された側」から「殺した側」へ、こころを伝えるということ

  • 著者名:藤井誠二
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 光文社(2025/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334108090

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内容説明

2023年12月、刑事司法の世界にドラスティックな変化をもたらす制度が始まった。それは受刑中の加害者に、刑務所や少年院を介して被害者や遺族の心情=こころを伝えることができる制度である。「殺された側」から「殺した側」へ、「殺した側」から「殺された側」へ、文書による交通を法律が担保するのだ。「殺された側」が「殺した側」へ「こころ」を伝えるとき、そこで何が起きているのか。複雑極まる「こころ」の一端に迫る記録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

とくけんちょ

42
心情等伝達制度の走り出しはどうだったのか。制度を利用した被害関係者への取材結果が本書。書かれていることはよくわかる。事件を忘れない、加害者より被害者に目を向けて。ただ矯正を担当する職員は、加害者の平穏を乱すものの存在をどう受け入れるのか。何事もメリットデメリットはあるし、それは理解している。そのうえで、リアル現場の声が聞きたい。2026/02/09

読特

40
危険ドラッグと飲酒運転の交通犯罪。上司からのパワハラ性被害。一方的な思いこみのストーカー殺人。小学生児童へのメッタ刺し殺人。…「何をしても赦せないが、反省はしてるのか?更生は期待していないが、今は何を考えてるのか?」…被害者や遺族から加害者に心の内を伝える。そして、問い質す。心無い応えに再度傷つく。もう関わりたくはないが、でも相手には忘れて欲しくない。起きた事は取り戻せない。流れる時間の中で何をすればよいのか。…心情等伝達制度の施行は2023年。136件の利用は何を物語るか。緊急レポートから推し量る実相。2025/12/10

てくてく

7
2023年に始まった「心情等伝達制度」を利用した犯罪被害者等への取材に基づく本。同制度導入前には、裁判で意見を述べる機会はあったものの、裁判の枠内で意見を述べるだけという面があって、それに比べると相手の反応や感想を知ることができる点ではプラス面がある。ただし、その運用に携わる刑務官側にあと少し配慮が必要な点や、被害者等が更生しているとは感じられない加害者、自分勝手なままな加害者であることを知ってしまうダメージがあって、大変だなという印象を受けた。2025/12/23

6
2023年12月1日に新規導入された、刑の執行段階等における被害者等の心情等の聴取・伝達制度。「官」からは発信し得ないだろうもの、アクセスし得ないだろうものが収集されていてありがたい。制度利用者の語り、実際に刑務所などから受け取った伝達結果通知書の抜粋、法務省矯正局成人矯正課担当者に直接投げかけた質問とその回答、文通している長期受刑者に聞いた本制度の受け止めなどが、メッセージ性のある編集にまとめてしまわず、幅広く生データとして記載されており、まさに著者の書くところの「緊急レポート的な」成果を果たしている。2026/04/19

KAZU

5
法務省の「被害者等の心情等の聴取・伝達制度」を軸に、被害者と加害者のこころの伝達(刑務官経由)を描いた本書。読み進めるほどに、遺族の感情を逆撫でする残酷な言葉や、拭いきれない絶望に心が激しくえぐられます。刑期を終えても被害者側の時間は止まったままであり、「罪を憎んで人を憎まず」という言葉すら虚しく響くほど、救いのない現実が突きつけられます。加害者の反省を促す制度の重要性と、一生癒えることのない被害者の悲痛な叫びに、深く考えさせられる一冊です。2026/04/28

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