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内容説明
2023年12月、刑事司法の世界にドラスティックな変化をもたらす制度が始まった。それは受刑中の加害者に、刑務所や少年院を介して被害者や遺族の心情=こころを伝えることができる制度である。「殺された側」から「殺した側」へ、「殺した側」から「殺された側」へ、文書による交通を法律が担保するのだ。「殺された側」が「殺した側」へ「こころ」を伝えるとき、そこで何が起きているのか。複雑極まる「こころ」の一端に迫る記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
読特
37
危険ドラッグと飲酒運転の交通犯罪。上司からのパワハラ性被害。一方的な思いこみのストーカー殺人。小学生児童へのメッタ刺し殺人。…「何をしても赦せないが、反省はしてるのか?更生は期待していないが、今は何を考えてるのか?」…被害者や遺族から加害者に心の内を伝える。そして、問い質す。心無い応えに再度傷つく。もう関わりたくはないが、でも相手には忘れて欲しくない。起きた事は取り戻せない。流れる時間の中で何をすればよいのか。…心情等伝達制度の施行は2023年。136件の利用は何を物語るか。緊急レポートから推し量る実相。2025/12/10
てくてく
5
2023年に始まった「心情等伝達制度」を利用した犯罪被害者等への取材に基づく本。同制度導入前には、裁判で意見を述べる機会はあったものの、裁判の枠内で意見を述べるだけという面があって、それに比べると相手の反応や感想を知ることができる点ではプラス面がある。ただし、その運用に携わる刑務官側にあと少し配慮が必要な点や、被害者等が更生しているとは感じられない加害者、自分勝手なままな加害者であることを知ってしまうダメージがあって、大変だなという印象を受けた。2025/12/23
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