内容説明
悪政による貧困がはびこる唐の世、仕官を願う杜甫は、花形詩人の李白ら、憧れの酒豪と出会う。型破りな酒仙たちとの交流を通じ、杜甫は「国破れて山河在り」の境地に辿り着き、民のために皇帝に諫言することを決意する。不遇をかこちながらも志を貫いた大詩人の夜明けを活写する、中華烈伝エンターテインメント!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
23
悪政による貧困がはびこる唐の世、仕官を願う杜甫は憧れの李白らと出会い、型破りな酒仙たちとの交流を通じ民のために皇帝への諫言を決意する中華小説。杜甫が憧れの李白と交流を重ね、酒宴や冒険、時には躍動感溢れる事件を通じて詩人としての境地を深め、天衣無縫の天才酒豪の李白、素直で世渡り下手な杜甫を対比させた関係に、個性豊かな飲中八仙の面々、阿倍仲麻呂や焦遂のエピソードも絡めながら、安史の乱の影が迫る中、侠義精神に燃える文人たちの生き様が描かれて、杜甫の不遇と志の貫徹が詩聖への道として昇華されてゆく結末は圧巻でした。2026/01/27
信兵衛
17
歴史を知らずとも酒豪たちのキャラクターはそれぞれ魅力的かつ面白いですし、歴史と併せて読めばその面白さも味わえるという快作。 面白いこと請け合いです。お薦め。2026/02/04
さとうしん
12
杜甫の「飲中八仙歌」に詠まれた酒飲みたちと杜甫との交友を描いた短編連作。詩人が多く登場して各種の唐詩が取り上げられているという点で、中国のアニメ映画『長安三万里』と好対照になりそうである。終盤では著者がこれまでの作品でテーマとしてきた安史の乱が取り上げられている。『長安~』と比べて李白が美化されているなあと感じるが、それもまたよしである。李林甫に見目のいい幼子が献上されるというのは中国現代ミステリ『検察官の遺言』を連想した。この李林甫が学のある者を嫌うというのも、何やら当世とかぶりそうである。2025/12/26
鳩羽
3
唐の玄宗皇帝の時代、士官を目指して詩作に励む杜甫は、とある酒屋で詩壇と高官の長老である賀知章にそうと知らずに出会う。老人に「会うべき」と教えられた酒飲みの詩人や役人達と出会い、縁を通じていく杜甫は、純朴で朴訥なまま彼らに翻弄され、また時代の流れのなかを自分らしく渡っていくのだった。…短編集のような形で、「飲中八仙歌」の登場人物とのエピソードを、滑稽な冒険物のように書いたり、歴史物のように書いたりと、バラエティに富んだ作品。ミステリ要素もあり、大小に読む楽しみが隠れている。巨鯨の話はしみじみと泣けた。2026/02/01
鴨の入れ首
3
2025年12月刊。図書館本です。杜甫を主人公にした連作中国史小説です。千葉さん初読みです。玄宗時代末期と安史の乱を背景に、杜甫と「飲中八仙」との友情を描いた骨太のストーリーで、大変面白く読み応えがありました。中国史や漢詩に疎くても十分面白く読めましたが、漢詩(特に唐詩)好きには是非お勧めしたい非常に興味深い話でした。2026/01/16
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