内容説明
宇宙が誕生してから数億年――光を放つ星も銀河もなく、ただ水素ガスが広がるだけの「暗黒時代」が続いていました。そこから、最初の星や銀河が生まれ、宇宙に光が満ちる「再電離期」へと移り変わります。では、その決定的な転換は、いつ、どのように起こったのでしょうか。
その謎を解く手がかりとなるのが、21センチ線と呼ばれる中性水素からの微弱な電波です。陽子と電子のスピンが反転するときに放たれるこの電波は、宇宙に満ちる水素ガスの「声」とも言えるもので、私たちに暗黒時代の記憶を届けてくれます。可視光では見えない宇宙の深淵を、電波という窓から覗くことができるのです。
本書では、21センチ線を用いた観測によって宇宙の黎明を探る研究を、最新の成果とともに紹介します。世界中で進む巨大電波望遠鏡プロジェクト、シミュレーションと理論の挑戦――その先に見えてくるのは、「なぜ宇宙に星や銀河が生まれたのか」という138億年にわたる宇宙進化の謎や問いへの手がかりです。
夜空を見上げる視線が変わる、最前線の宇宙物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
46
21cm線を軸とした宇宙暗黒時代から宇宙の夜明け、宇宙再電離期を研究してきた著者が、自身の研究分野の魅力を、現在天文学者として活動している同業者、これからの時代を担う若手研究者や学生の皆さん、さらにはより広く一般の方々に伝えたいと思い、本書を執筆したという。 2026/02/11
やす
9
Xでいろいろ天文について発言されている先生の本なので迷いなくよむ。若いころの夢をまた見ていて宇宙論の教科書をAIに手を引かれながら読んでいるのだけど本書のメインはそこでは触れられていない38万年後の晴れ上がりから再電離時代の終焉まで。ここを21cm電磁波で読み解こうという天文学の解説。本書では触れられていないけどこの21cm電磁波なかなか面白い。水素原子の陽子と電子のスピンの向きが揃ってるか逆かでエネルギー準位がことなる。その差5.9μeV。なんだその小さな単位初めてだぞ。2026/02/27
中島直人
2
(図書館)読了2026/02/15
Masa
1
『中学生からわかる現代天文学』からのステップアップで挑戦。天文学の素養がない私には21cm線のくだりなどは難しかったが、暗黒時代を経て星々が輝き出すまでの物語はワクワクしながら読み進められました。現在進行形の研究が持つ圧倒的な熱量に触れ、理解を超えた先にある科学のロマン。完璧には分からなくとも、壮大な歴史の一端に触れる高揚感。出会いに感謝の一冊でした2026/02/07
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