- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
列島誕生以来、地震・噴火・津波・台風などの自然災害の脅威に絶え間なくさらされてきた災害大国・日本。いくつもの巨大災害が、日本史上にその名を残してきた。平安時代を揺るがした貞観の大津波、近世では宝永の富士山噴火や安政南海地震、近現代では関東大震災や阪神淡路大震災、そして東日本大震災……。歴史を大きく塗り替えた自然災害はなぜ発生し、日本人にどのような影響を与えてきたのか。浮かび上がる「歴史の法則」とは。地球史的スケールで日本史をとらえなおす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
131
噴火や地震、津波が日本史に与えた影響については類書があるが、そうした天災の発生メカニズムを解明する本は初めて。プレート運動と巨大噴火を土台に国土が形成された日本では、地学の知識なくして歴史を完全に理解できないと痛感させられる。縄文時代が噴火や地震で消滅して以後、文字を得た日本人の先祖が営々と記録し続けてきた災害被害の原因と被害状況は、自然災害について考えるには数百年数千年単位の長尺の目を持たねばならないと教える。少なくとも歴史研究者は文系理系双方の知識と複眼思考がなければ、過去も未来も論じられないだろう。2025/12/15
まーくん
95
昨夜にも青森県東方沖で大きな地震(M=7.5)があった。日本では災害は忘れる前にやってくる。本書でも強調してるが巨大災害への備えは、個人、地域、社会の各レベルで不可欠。個人でも事前の備えが大事。本書は「科学の伝道師」を自称する元京大教授の著者が、地学から読み直す日本史として、太古の過去から現在に至るまでの、地震・津波・噴火の発生を社会の動きと共に追っている。勿論、阿蘇の巨大噴火など先史時代の出来事は地質学的手法からであるが、幸い日本には古くからの文字記録がある。「歴史時代」に入ってからは、⇒2025/12/09
ポチ
40
地震•津波•噴火。4つのプレートに囲まれている日本ではそれが頻繁に起こり易いのですね。 巻末の「日本史災害巨大年表」を見ていると背筋が寒くなる思いです。2025/12/20
ta_chanko
24
まさに「災害列島」日本。太古の時代から、絶えず地震・津波・噴火といった自然災害に遭遇してきた。これに台風・洪水も加えれば、とてつもない数の自然災害が日本列島を襲ってきたことが分かる。次は、すぐにでも発生すると言われる千島列島沖巨大地震、2030~40年代の発生が予想される南海トラフ巨大地震・富士山の噴火...。防災よりも減災。この国難をどう乗り越えるかが、日本の将来を決めるといっても過言ではない。2025/12/18
いつき 守
3
列島を襲った数々の地震や火山噴火についてコンパクトにまとめられていて非常に分かりよい。加えて列島のなりたちその他、地学の知識がろくにないものに向けた解説もあって非常によかった。ラスト部分はこの先10年程度のうちに必ず発生する南海トラフ地震や首都直下地震、富士山噴火について。避けることはできないんだなと感じる。 著者は種々地学知識の啓蒙書を書いているようだ。ぜひそちらにもトライしたい2025/12/13




