内容説明
「貧困」「孤立」「生きがい」そして「終わらない子育て」――激増すいるシニアワーカーが働き続ける理由をひもとき、労働や家族の形が変容する社会のリアルを描く。気鋭のジャーナリストによる渾身のノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
チャーリブ
38
定年後のシニアの生活状況をまとめた本としては『ほんとうの定年後』(橋本貴志)が自分の中では定本なのだが、本書を読んで『ほんとうの〜』は光の部分で、影の部分が欠け落ちているかもしれないと思った。本書では高齢者は60歳以上としているが、言うまでもなくその人生は多種多様で一括りにはできない。しかし経済的な数字は厳として存在していて、その数字の中でどのように自足するかということになるのではないか。ただ『ほんとうの〜』の統計に見られる仕事への高い満足度はその影の部分も見なければいけないのかもしれない。2025/12/15
よっち
28
年金だけでは生活できない高齢者が増えている中で働き続ける過酷なシニアワーカーの現実を、21人の密着取材を通じて鋭く描いたノンフィクション。個人と家族に過剰な負担が集中する社会構造を背景に、大人になっても自立できない子どもを支え続ける終わらない子育て、貯蓄ゼロの実態、2000万円問題、ケアラーとしての負担、プライドの喪失、そして孤独の構造の実態を取材していて、支援が希薄になり、制度も十分に機能しない中で、孤立しながら働き続けるしかない高齢者の姿を浮き彫りにしていて、その厳しい状況を改めて実感させられました。2025/12/16
ゆり
24
『ルポ 過労シニア』は、一見すると、 高齢労働者の数が急激に増えているという社会現象を扱った本のように見えます。 けれど、実際に読み進めてみると、 これは「なぜ高齢になっても働き続けているのか」を冷静に統計で説明する本ではなく、 強い重みをもったルポルタージュだということに気づかされます。 本書が問いかけているのは—— 人生の大半を歩んできたにもかかわらず、 それでもなお働くことをやめられない状況は、 果たして「自らの選択」なのか、 それとも「声なき強制」なのか、ということなのです2025/04/10
まゆまゆ
17
60歳以上の働く高齢者へのインタビューをまとめたルポ。働く理由が低年金とは限らず、社会から孤立する不安や終わらない子育てによって働かざるを得ない人たちも。しかしシニアに開かれている職は清掃や介護など低賃金にも関わらず体力が必要な肉体労働で、健康でなければ続けられないものばかり……2025/12/23
おいしゃん
12
一度ドツボにはまると、どんどん厳しい条件の仕事しか選べなくなっていく日本の世相がよく表れていた。そのきっかけが介護など、本人にはどうしようもできないことだったりするから、余計に切ない。2025/12/26
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