内容説明
豊臣家の栄達の裏に、凄腕の料理人がいた!
「おみゃあら、今から腹ごしらえだ。
座って食えるのはこれが最後だと思え」
豊臣家の天下統一の陰に、知られざる包丁人(料理人)の姿があった──。
その男は京出身の大角与左衛門。味方の兵たちを食でまとめあげ、敵方の調略にも一役買っていたという。
屑として捨てられていた雉の内臓を使った汁。
決死の戦の前に、即席のかまどで焼いた下魚のかまぼこ。
秀吉と秀長の故郷の味、ドジョウの味噌鍋……
秀吉・秀長の豊臣兄弟に仕えた包丁人が作る、
人と人との心をつなぐ料理とは?
戦国時代の「食」に光を当てた、前代未聞の天下取り物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
178
木下 昌輝は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。来年、大河ドラマで豊臣ブームが来そうですが、豊臣家の料理人の物語は初めてです。「腹が減っては戦が出来ぬ」+α、戦において兵站(食事を含む)は、重要です。私も一食一食を大事にしています。絶対、コンビニ弁当は食べません(笑) https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639203682025/11/29
パトラッシュ
151
天下人にまでのし上がった秀吉だが、その暴走する野心から生じる矛盾や痛みを周囲にまき散らし続けた。常識人だった弟の秀長は兄から親兄弟を守ろうとした心労の果てに亡くなり、姉や妹や甥すらも利用され捨てられた。秀吉の子を生み天下の権に近づいた淀殿も呪いを避けられず、大坂城の露と消えていく。そんな豊臣家の興亡を間近で見てきた包丁人の大角与左衛門は料理の腕で秀頼に死を覚悟させ、家康の荒んだ心を癒し秀頼の娘を助命させる。ひとりの料理人が戦国乱世を終わらせた男たちを陰で繋いだとするドラマは、歴史小説の面白さを堪能させる。2025/12/03
いつでも母さん
133
そうよね、天下人だって足軽だって、とにかく人は食べなきゃ生きられない。そんな話かと思ったら・・あらあらさすがは木下さんでしたね。書下ろしの全10章。序章で読み手(私)を引きずり込だ。だが、圧巻は七章からだ。特に八章「天下飯」が好い。そして終章まで、与左こと大角与左衛門を通してこちらとあちら、戦国の世に、翻弄された人々の物語を面白哀しく読んだ。たっぷりの情もあり、狂気もありで面白い着眼点の木下さんお見事でした。2025/12/18
星群
88
木下さん、このタイミングを狙いましたか、笑。とてつもない野心を抱いた兄・藤吉郎と、家族大事を一番に考える弟・小一郎の出世物語。〝包丁人〟ってあるけど、思いの外料理は出てこなかった気がします。お拾い様がある札を取ったことからあることを決意する秀吉が、とてつも無い恐怖心を持ちました。ほんまに怖すぎる。同様に、母・茶々の父親に対する思いからくる本心がずしんと重かったです。2026/01/18
pohcho
67
包丁人・大角与左衛門が物語のキーなのだが、半分以上は秀吉の弟・秀長の視点で進むので、今年の大河ドラマの予習をしているようだった。どんなに迷惑をかけられてもどこか憎めない。弟から見ても秀吉の人たらしの魅力は半端ないのだ(家康と経帯麺を食べた場面はすごかった)しかし、晩年はおかしくなり朝鮮出兵という暴挙に。・・と、ここまではすでに知られている話で、七章からが木下さんの真骨頂だった。秀長、秀吉、秀頼、そして家康へ。戦国と食の物語を堪能できた。とても面白かった。大河ドラマも見る予定。2026/01/07




