内容説明
平清盛は人情に厚く、指導者としてのバランス感覚と度量の大きさ、政治家としての開明性、軍人としての戦略・戦術における卓越した才能を兼ね備えた「万能の巨人」である。
その志を継いだ息子たちもまた、重盛・知盛・重衡など、政治・軍事の両面で優れた人物だった。
平家は土地支配にとどまらず、海上ネットワークと貿易・港湾戦略を用いた新たな国家像を構想。
しかし、壇ノ浦の敗北により「貴族化した弱体な一族」として誤解され、源氏によってその功績は歪められた。
本書では『平家物語』などに散らばる史実を丁寧に拾い上げ、敗者の側から描く平家一門の実像を提示する。
清盛の「海の国家」構想と、知盛の海軍戦略が今なぜ重要なのか――歴史の見方を刷新する一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
19
軍事色強い戦略論として本書を読むは食傷。著者の意図をずらし、清盛をグローバルベンチャーの創業者と捉え本書を読む。彼は旧市場(荘園経済)を捨て日宋貿易で日本という領域の構造変革に挑んだ。だが、その「海のヴィジョン」はキッシンジャーが論じる天才指導者の継承不可能な戦略ゆえに失敗する。後継者は消化できず守りに回帰し一族は滅亡。それはイーロン・マスク会長辞任後のテスラのリスクと酷似する。清盛の失敗を組織論として深く分析。それは平安から令和を跨ぐ歴史に通じ、創業者のビジョンと事業承継の普遍的な条件を問うに刺激的だ。2025/09/07




