スピルオーバー――ウイルスはなぜ動物からヒトへ飛び移るのか

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スピルオーバー――ウイルスはなぜ動物からヒトへ飛び移るのか

  • ISBN:9784750351544

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内容説明

【紹介記事掲載情報】
2021年6月26日 日本経済新聞「動物から来る感染症を追う」
2021年5月22日 朝日新聞『「スピルオーバー」書評 種を超えた伝播 追求する執念』評者:行方史郎 氏


【内容紹介】
生態系の破壊が、ウイルスを呼ぶ。

ウイルスたちはなぜ、いつ、どこで、いかに種を超え人間へと飛び移り、惨事をもたらしてきたのか。異種間伝播(スピルオーバー)を通じて爆発的に広がった疫病の実態とそれに挑戦する人々の苦闘を、徹底した現地取材を通して辿る世界的ベストセラー。

―――

エイズ、マラリア、SARS、エボラ……。いずれも感染は、野生動物と人間の接触によって起こっている。ウイルスの宿主は、野生動物の中にいる。人間がこれらの動物を狩ったり、伐採や採掘で生息地を奪ったりして生態系を乱すとき、私たちは動物に代わる新たな宿主となりうる。人間に飛び移り、複製し増殖できれば、ウイルスは世界で最も繁栄する動物の内部に居場所を見つけたことになる。

スピルオーバーとは、ある病原体が種から種へと飛び移ることを指している。それは予想を超える突発的な集団発生、すなわちアウトブレイクをもたらす可能性がある。世界各地の疫病の震源地や研究の最前線に足を運び、ウイルスがもたらす現実とそれに挑戦する人々の姿を描く果敢な試み。異種間伝播する病原体が近い日に〈次なるパンデミック〉を引き起こすことを予言した警世の書。

目次

Ⅰ 青白い馬――ヘンドラ
Ⅱ 一三頭のゴリラ――エボラ
Ⅲ あらゆるものはどこからかやって来る――マラリア
Ⅳ ネズミ農場での夕食――SARS
Ⅴ シカ、オウム、隣の少年――Q熱、オウム病、ライム病
Ⅵ 拡散するウイルス――ヘルペスB
Ⅶ 天上の宿主――ニパ、マールブルグ
Ⅷ チンパンジーと川――HIV
Ⅸ 運命は定まっていない
補章 私たちがその流行をもたらした――新型コロナ
訳者あとがき
参考文献

人名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

88
原書は2012年のアメリカのベストセラー。内容は、「ウイルスたちはなぜ、いつ、どこで、いかに種を超え人間へと飛び移り、大惨事をもたらしてきたのか。異種間伝播(スピルオーバー)を通じて爆発的に広がった疫病の実態とそれに挑戦する人々の苦闘を、徹底した現地取材を通して辿る」というもの。本書は研究者らの謎の疫病の実態と宿主やウイルスの正体を求めての苦闘ぶりを綿密な取材で描く。2021/08/17

DEE

19
エボラやHIVなどが、どこで発生しどのように伝播していったのか。それと共に細菌やウイルスと人間との終わりのない戦いがこれでもかというくらい書かれている。 ウイルスなどの研究には保有生物の調査が欠かせない。 「ニパに曝露した場合は気にするな。どうせワクチンも治療法もないのだから」というくらいの危険な調査の上に、現在のヘルスケアは成り立っている。 covid-19は最初でも最後でもない。人類は新型ウイルスの前では、いつの時代もあまりにも無力なのだと思い知らされる。2021/06/09

羊山羊

17
只々圧倒される、ウィルスと動物と人を巡る科学ミステリ冒険譚。異種間伝播はこの三者を巡る非常に厄介な生態系の問題だ。代表的な8種の人獣共通感染症に焦点を当て、真相解明に全力を尽くす科学者たちを追うのだが、1つ1つ、粘り強く謎を解き明かすその姿勢とドラマチックな展開に心を打たれる。縦横無尽に錯綜する人間を含めた生態系の複雑さとそれを巧みに利用して広がるウィルスの狡猾さに舌を巻いた。読み物としてとても面白かったのでおススメ!2021/10/02

hal

17
動物からヒトへ感染するウイルスについて、2012年に書かれた本らしいが、現在の新コロナを予言しているような内容に驚く。著者はナショジオ等に寄稿しているジャーナリストだが、エボラなどの発生地に出向き、研究者のお手伝いまでしていて、その行動力と勇気に感服する。それにしても、獣医も含めた医療関係者は本当にハイリスクなんですね。自然と近くて人口密度が高く貧しい地域では、平均寿命が短いので、エイズとかになっても気づかないというのは恐ろしい。2021/05/02

おだまん

8
一つ一つの事例はどこかで読んだり聞いたりしたことがまとまって読むと、ウィルスはこう動くんだなぁということが実感できる。そして、新型コロナは来るべくして来たパンデミックなのだな、ということを改めて。2021/07/25

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