アンダークラス化する若者たち――生活保障をどう立て直すか

個数:1
紙書籍版価格
¥2,530
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

アンダークラス化する若者たち――生活保障をどう立て直すか

  • ISBN:9784750351520

ファイル: /

内容説明

「ライフチャンスを剥奪された」若者たちに、社会的投資を。

本書は、不安定な生活基盤、希薄な社会関係のなかで大人になり、アンダークラスに落ち込む若者の実態を明らかにする。そして、若者施策の前提となっている「親頼み」のメカニズムと限界をえぐりだし、アンダークラス化を防止するためにどのような社会編成が必要なのか、若者の現在から将来までの生活保障の必要性を提起する。

目次

はじめに[宮本みち子]
第1章 若者問題とは何か[宮本みち子]
第2章 若者世界の分断と高校教育の変容――社会的階層移動から社会的格差の再生産へ[青砥恭]
第3章 リスクを抱えた若者のキャリア形成支援――10代後半の若者を中心に[佐藤洋作]
コラム1 福祉サービスの器からあふれて、サポステに流入する若者たち[白水崇真子]
コラム2 コロナ禍の中で若者に何が起こったのか[濵政宏司]
第4章 若者施策としての就労支援[西岡正次]
第5章 アンダークラスを支える――弱者の技法としての静岡方式[津富宏]
第6章 社会的連帯経済と若者支援[藤井敦史]
第7章 若者支援と中間的な働く場づくりの可能性――K2インターナショナルグループの取り組みから[岩本真実]
第8章 家族扶養・正規雇用の相対化から見える若者への社会保障――横浜市における新型コロナ禍前後の取り組みを事例に[樋口明彦]
第9章 日本の若者政策における「若者問題」――就労支援と複合的な困難の位相[濵田江里子]
コラム3 ソウル市における青年ガバナンスの発動と「青年手当」[大草稔・小堀求]
第10章 困難を有する若者支援の法制度と自治体法政策――相談・救済・多機関連携[野村武司]
第11章 若者支援の政策理念――地域密着型の社会的投資へ[宮本太郎]
本書をふりかえる[宮本みち子]
おわりに――若者の生活保障の展望[佐藤洋作]

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

tharaud

2
宮本太郎の担当する第11章がとくに勉強になった。ロスジェネの先頭集団が50歳に達しているという指摘を読み、一体この30年この国は何をしていたのだろうと思う。とくに前半の15年は、基本的に若者の意欲の問題とされてきたという記述に溜息が出る。宮本の指摘する、多様で複合的な問題を抱えているにもかかわらず正規雇用につけず、社会保障給付の対象にもならない「新しい生活困難層」は、現場から見ても多い。総合相談、多様な就労、生活保障の3つが必要だという主張に同意する。2023/08/06

saiikitogohu

1
「ヨーロッパの場合、スタート時点で非正規雇用であっても、何年か後には正規雇用に転じている。…親の家を出て独立の生計を立て、その家には子供を持っている若者世代が非正規雇用であっても多い…それは所得補償、失業、家族関連、住宅関連などの社会保障費がどのような若者にも適用されるからね、賃金の不十分さを社会保障費が保障しているのだ。…日本の場合、非正規雇用の若者の大半は親元で暮らしている。…若者に対する社会保障が弱体で、生計を立てる手段はもっぱら賃金に置かれ、それが少なくてもそのまま放置される」52021/05/29

takao

1
ふむ2021/05/06

Go Extreme

1
若者問題とは何か 若者世界の分断と高校教育の変容―社会的階層移動から社会的格差の再生産 リスクを抱えた若者のキャリア形成支援 若者施策としての就労支援 アンダークラスを支える―弱者の技法・静岡方式 社会的連帯経済と若者支援 若者支援と中間的な働く場づくりの可能性 家族扶養・正規雇用の相対化から見える若者への社会保障―横浜市の取り組み 日本の若者政策における若者問題―就労支援と複合的な困難の位相 困難を有する若者支援の法制度と自治体法政策―相談・救済・多機関連携 若者支援の政策理念―地域密着型の社会的投資2021/04/20

昌也

0
第9章 濱田江里子氏の「日本の若者政策における「若者問題」」が読み応えありました。2023/04/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17663831
  • ご注意事項

最近チェックした商品