内容説明
その味は、決して知ってはいけない。
姉の詩織がつれてきた大学の友人・朝倉薫。自由奔放で、謎めいた空気を持つ大人の女性に、高校生の恭平は恋に落ちてしまう。しかしある日、恭平は隣の部屋でキスをする薫と詩織を目撃……二人は友人ではなく恋人同士だった。事実を受け容れられず、やり場のない感情に胸をしめつけられる恭平。そんなとき、薫は恭平にささやく。「弟くんは、私とキスしたい?」踏み込んではいけないと知りながらも、押さえられない感情に身を委ねたとき、普通ではいられない恋が動き出す――歪な愛が結ぶ三角ラブストーリー。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
21
姉の詩織が家につれてきた大学の友人・朝倉薫。自由奔放で謎めいた空気を持つ彼女に惹かれて、弟の高校生の恭平が恋に落ちていく三角ラブストーリー。隣の部屋でキスをする薫と詩織を目撃して、事実を受け入れられずやり場のない感情から想いを嫌でも自覚る恭平。両親が離婚したことで母と姉と3人の生活で普通を意識する日々や、彼を気に掛ける幼馴染・唯の存在を絡めながら、姉と恋人になった薫に対するそれぞれの複雑な想いを浮き彫りにしていく中で、構図が二転三転してそう来たかと唸らされた先の見えない結末の続きが早く読みたくなりました。2025/11/18
真白優樹
11
母と姉、自分の三人家庭で暮らす少年が、姉の彼女である女性に出会い始まる物語。―――歪み壊れる普通の先、抉り出されるのは歪な愛。 誰かを愛する心、果たしてそれは普通なのか。許されざる恋が問いかけられる中、姉の最後の告白が一気に不純さを醸し出していく物語であり、まさにドロドロでグチャグチャな重さが楽しめる、鬱々で黒々とした部分のあるラブコメである。許されざる思いが巡り形成された三角関係。誰にも言えぬ関係が始まる中、普通をはみ出した先にどんな愛が待っているのか。 次巻も勿論楽しみである。2025/11/20
とってぃー
5
これはひどいぞ…(いい意味で!)普通に拘る主人公が姉の彼女に恋する物語。最初は『百合に挟まる男何やっとんじゃ!』となるんですが、次第に誰も救われないような恋に焦がれる様に不思議と惹き込まれましたね。普通に固執していたのに恋で一瞬にして変わってしまう様は倒錯的で見物でした。誰しも可哀想だなという感情が湧いてくるのですが、健気な幼馴染への仕打ちも酷い。幼なじみカップル界隈の人が読んだら本をぶん投げるレベルですよこれは。ラストは最上級にさらに面白くさせる引きとなってますので、続刊お願いしますよ!2025/11/22
椎名
5
背徳系の三角関係ものだが既存の背徳系とはまた一味違う込み入った泥沼具合でおっと思わせられた。一見すると百合に挟まる男の図だが、ラストでまた一捻り作ってきたのが上手い。しかしこれ全員が全員に大なり小なり感情の違いはあれど好意はあるわけで、三人で付き合うんじゃ駄目なんですか!?と思ってしまうのが自分の悪いところだ。駄目なんですか!?どこまでも普通というものに固執している姉と弟が、恋をすることでそこから逸脱していくのは普通という呪いの解放でもあるし、父親から受け継いだ業にも見える。続きが気になる。2025/11/21
leo18
3
いやラストが意味わからなすぎる。シリアス寄りの背徳系三角関係ものだけど、ちょっと登場人物の行動原理に引っかかる部分が多かったかな。健気な幼馴染への仕打ちも酷い。2025/11/21




