内容説明
浄土宗の開祖・法然は様々な人から教えを乞われていた。本書では、法然が熊谷直実のような武士から式子内親王、北条政子に至る人々に宛てた手紙を平易な訳文とともに紹介する。仏教を専門としない相手に書かれた手紙には、称名念仏による極楽往生こそ救いの道であることが、わかりやすくかつ論理的に説かれている。また文面からは、身分や年齢にかかわらず相手を尊重し、権力とは正面から対峙しない、優しくも強かな法然の人柄が窺える。本書はそうした手紙の読解を通じて、現実から逃げるのではなく往生を見据えて現実を強く生きるという、本願念仏の持つ実践的な力を提示する。文庫オリジナル。
目次
はじめに/1 なぜ今法然の手紙なのか/2 テキストについて/第一章 これで念仏が分かる!/1 最良の本願念仏入門!(大胡太郎実秀の妻へつかわすお返事)/2 本願念仏の極意(黒田の聖人へつかわす御文)/第二章 「根本の弟子」は武士/1 熊谷次郎直実につかわすお返事/(1)念仏に集中せよ(五月二日付)/(2)熊谷入道、自殺を予告する(四月三日付)/(3)往生はあなたの心次第!(九月十六日付)/2 津戸三郎為守へつかわすお返事/(1)津戸三郎為守と本願念仏/(2)念仏は愚かで学問のない者のための教えか?(九月十八日付)/(3)「専修念仏の信者、三十余人!」(九月二十八日付、一一九六年)/(4)法然、重病?!(四月二十六日付、一一九八年)/(5)法然の法廷闘争?(十月十八日付、一二〇五年)/(6)「流罪に思う」(八月二十四日付、一二〇七年)/(7)断簡・出家の掟/(8)断簡・念珠のお返事/(9)断簡・真影のお返事/3 念仏か?『法華経』か?(大胡太郎実秀へつかわすお返事)/(1)大胡氏/(2)謙遜な返事ぶり/(3)「三心」/(4)臨終との関係/(5)『法華経』を読むこと/(6)「力およばず」/第三章 死後を見定める/1 共に浄土に(正如房へつかわす御文)/(1)正如房/(2)死は先立つか遅れるかだけのこと/(3)往生は阿弥陀仏の力による/(4)一筋に阿弥陀仏の誓願を信じる/(5)善導の言葉/(6)臨終来迎のこと/(7)前世でのつながり/(8)返す返すも/2 臨終に念仏ができなくとも大丈夫!(空阿弥陀仏へつかわす御文)/第四章 なにが念仏を妨げるのか?/1 本願を疑う(ある人のもとへつかわす御文)/2 「四十八願のまなこ也、肝也、神也」(ある人へ示した詞)/第五章 権力者に答える/外柔内剛(北条政子へつかわすお返事)/(1)北条政子の問い/(2)阿弥陀仏の本願/(3)善導の教え/(4)無理に信じさせようとするな/(5)公的返答/おわりに/法然の手紙 原文/略年表/主要参考文献/あとがき
感想・レビュー
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ホシ
ゆどうふさん
田中秀哉




