内容説明
勝率9割6分2厘、江戸相撲最強の力士・雷電為右衛門。その雷電が唯一、二度敗れた相手がいた。相手の名は花頂山。後世に伝わる花頂山との戦績は、3勝2敗、そして二人の最後の取組となった1預り(その場で勝敗を付けず、保留とすること)。その1預りには、藩の思惑と力士の誇りがぶつかり合う、隠された物語があった――。
江戸時代の相撲は藩の威信を懸けた代理の戦。松江藩の江戸留守居役・石積多平太は、藩主・松平不昧が力を入れる相撲力士の育成に関わることに。過去のある出来事から相撲を憎む多平太だったが、松江のお抱え力士・雷電爲右衞門の圧倒的な強さを前に、徐々に相撲に魅入られていく。あるとき、雷電は、庄内藩の幕下力士、花頂山に敗北を喫し、更に次の場所でも花頂山に敗れてしまう。それは、相撲藩・松江藩にとっては、起きてはならぬ一大事であった。各藩の思惑渦巻く土俵の上で、雷電と花頂山は何を思うのか。藩の威信、そして一人の力士としての意地を懸けた、両者の最後の一番の行方は――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
500
つまらなくはない。私よりももっと相撲に詳しい方であれば、言外の意味も汲み取れて、色々な考察が可能な内容なのかもしれない。ただ、それができるほど相撲の歴史に通じている読者とは果たしてどれほどいるだろう。また、力士を取り巻く藩の人々の目線で物語が進むため、周囲の思惑が雑音となって雷電自身に焦点が当てきれておらず、最強力士の無双ぶりを期待して読むとやや肩透かし。何より、雷電に土をつけた花頂山の人となりや、その実力の本当のところが、前知識のない人にはわかりづらく、そのせいで対決に熱くなりきれない。2025/11/28
starbro
156
梶 よう子は、新作中心に読んでいる作家です。雷電為右衛門は、江戸時代の最強力士として既知ですが、その物語は初読です。本書は、雷電を周囲の人の視点で描いているため、その強さをあまり感じられませんでした。雷電自身を主人公にした方が良かった気がします。令和の時代に、雷電を襲名出来る位に強い巨漢の力士の登場を待望しています。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322403000618/ 2025/12/17
fwhd8325
68
相撲は大好きで、子供の頃には相撲取りになりたくて真剣に考えた時期もありました。雷電の名前は、相撲界にとって伝説のような力士でありながら「すごかった」それだけで知っているようなつもりでいたと思います。さて、この著書で、どれだけのことを知ることができるのか、楽しみにしていました。しかし、雷電その力士よりもその時代の相撲界を中心に描いているのはある意味期待外れだったのだけど、今の時代にもつながることも多くあり、なるほど、国技なんだと妙な納得感。2026/01/22
ぽてち
32
相撲界最強の力士として知られる雷電を、雲州松江松平家留守居役見習いの石積多平太の目線から描いた作品。大相撲の世界になぜ侍が?という疑問はたちまち氷解する。最近はとんと興味を失ってしまったが、昔は6場所の興行を録画してまで見たし、国技館に足を運んだこともある。それなのにそもそもの始まりを知らなかったのは痛恨だった。逆に知らなかったからこそ、各藩の思惑や力関係に振り回される力士たちや、中間管理職として板挟みになる多平太の姿に胸が熱くなった。にしても、この世界って昔からこんなことやってたのかとちょっと辟易した。2025/12/06
のびすけ
25
雲州松江藩の抱え力士・雷電為右衛門。相撲部屋よりも藩に帰属する意識が強かった江戸勧進相撲の様子が、松江藩留守居役・多平太の目線で描かれる。ストーリーとしては面白みに欠けたけど、藩同士の抱え力士を用いた代理の戦いとなっていた当時の相撲事情は興味深かった。2026/01/24
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