いつかどこかにあった場所

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いつかどこかにあった場所

  • ISBN:9784801947016

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内容説明

どこかの記憶はあなたの記憶

彼女が のつもりで適当に言った不気味なローカル番組は実在し、しかも彼女自身も出演していた(「二つの真実と一つの嘘」)。飛び込んだ人間がたまに消える池で行方不明になった兄の思い出(「センチュリーはそのままにしておいた」)。バラッドの謎を解き明かそうとするネットユーザーたちは、その歌に秘められた恐ろしい意味に気づきはじめる(「オークの心臓集まるところ」)。6人のガールスカウトたちのわたしたちがキャンプで体験したこと(「科学的事実!」)。
迷っても、しっかりと着実に、奇想と現実の狭間を歩む。もっとも新しく、もっとも懐かしい、記憶を揺さぶる奇想短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆのん

47
短編集。初読みの作家さん。ディストピアにおける人々の自由への想いが繊細に、かつ躍動的に描かれていて、時間を忘れて一気に読んでしまった。ディストピアというと丸ごとフィクションの世界と思いきや、現実にも当て嵌まる内容だと感じた。戦争や、政治的な抑圧からの自由を求める人々の叫び、そんな印象を持った。本作は短編集となっているが、特に『ケアリング・シーズンズからの脱走』と、『二つの真実と一つの嘘』がとても私好みだった。作者の他の作品や、長編なども読んでみたい。2026/01/30

ぐうぐう

32
サラ・ピンスカーの第二短編集。最初の短編集『いずれすべては海の中に』同様に、多様なジャンル、形式で編まれており、多彩な一冊となっている。しかし、より深みを感じさせるのだ(それは結果として、ダークさを漂わせることとなっている)。第一次トランプ政権時に書かれた「われらの旗はまだそこに」は、SFが未来を想像するジャンルだけではなく、それ以前に現代を映す鏡であることを知らしめるディストピア小説。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、ユージイ賞を受賞し、(つづく)2026/03/04

りらこ

28
結末まであと一歩というところで作者から手を離されてしまう感覚。 これがなんとも心に余韻として残ってしまう。 周囲の風景に溶け込んだ、繊細な心象の描写が登場人物にリアルとはかなさの両面を持たせ、現実のように感じながら読み進める。 だから、耳元で鳴っていた音楽が突然終わったかのように感じる。 特に『われらの旗はまだそこに』『山々が彼の冠』は、この抱えた気持ちはどうしたら?と途方にくれる。 現実か幻想なのか、曖昧なのが魅力なのだろう。SFでホラー。結構面白い。 2025/11/13

くさてる

24
短編集。ディストピアを描きつつもそこに押しつぶされない人間性を描いた「我らの旗はまだそこに」「今日はすべてが休業している」「ケアリング・シーズンズからの脱走」などが良かった。ディストピアではなく認知症になった画家の話「わたしのためにこれを覚えていて」も。いちばん好きなのは、サスペンスめいた展開からより幻想味が深くなっていく「二つの真実と一つの嘘」だった。おすすめです。2026/01/22

本の蟲

22
バラエティ豊かな作品がどれも抜群に良かった『いずれすべては海の中に』に続くピンスカ―の第二短編集。ハードルが上がったせいか、暗めの作品が多い本作は前作に比べてやや落ちる。とはいえ、政府あるいは大きな力に個人が立ち向かう話を、奇想天外なセンスで味付けした作品は楽しめた。愛国心が強烈に幅をきかす近未来米国が舞台の『われらの旗はまだそこに』。ロックダウンの中できることを探す『今日はすべてが休業してる』。理想の介護施設がいつの間にか監獄に『ケアリング・シーズンズからの脱走』がお気に入り2025/12/14

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