文豪は鬼子と綴る 弐 幻想列車編

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文豪は鬼子と綴る 弐 幻想列車編

  • ISBN:9784801946644

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内容説明

其の列車は死者を運ぶ
亡き人に逢いたくば――さぁ、乗るがいい。

ついに香月の秘密が明らかに!

生まれながらに軛を背負う二人が、現世と幽世のあわいを走る幻の豪華列車を追う大正あやかし事件簿



大正十年博多。
正体不明の人気作家・香月蓮の助手を務める中学生・瀬戸春彦は「この世の不可思議なるものを見つけてこい」という主の無理難題に頭を悩ますが、香月の正体を嗅ぎ回る新聞記者の杉山から真夜中に死者を乗せて走るという幽霊列車の目撃情報を得る。
霧の中から忽然と現れては消える幻の豪華列車。しかもあの柳原白蓮が乗っていたとの情報も。
どうしても会いたい故人がいる香月と春彦は真相を突き止めるべく杉山と夜の博多駅に忍び込み、ついに幻の列車に乗車する。
居合わせたのは訳アリの乗客たち、果たして幽霊列車の正体とは……?

訳アリ、美形、偏屈。怪異大好き小説家の香月蓮(こうづきれん)と、
鬼子で、毒舌、優秀。甘味大好き中学生助手の瀬戸春彦(せとはるひこ)。
ともに出自にどうにもならない【呪い】を背負った者同士、
凸凹バディが大正時代の博多を舞台に躍動する耽美なホラーミステリー、第2弾!!


 改札を抜けて発着場へ出ると、そこには荘厳な蒸気機関車に牽引された、豪華絢爛な車輌五両が停車していた。深青色の光沢が電灯の光を弾いて、まるで七宝焼きのような輝きを放っている。

「……帰って来られると思いますか?」
 僕の問いに香月がこちらを振り向く。
「どうした? 恐ろしくなったのか?」

 列車がぐん、と前へ大きく動き出し、車輌が揺れると木の軋む音がした。加速はゆっくりと、だが確実に前へと進み始める。前方で蒸気の噴出する音がした。
「春彦。私も同じだ。ひと目会いたい者がいる。その為に、この列車へ乗ることを決めたのだ」
――本文より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろこ

111
シリーズ2の一冊。大正時代の博多を舞台に作家の香月蓮とその助手の瀬戸春彦が怪異の謎に挑むホラーミステリ。今作は二人の関係も深みが増し、死者を乗せて走るという幻想列車の謎に挑む時間は思いっきり現世と幽世の淡いに浸れる世界観でとても楽しめた。霧深い闇、突如現れる列車に乗り込む二人の覚悟には信頼という証を感じたな。香月のひと目会いたい死者とは…彼の抱えたものが紐解かれ、春彦もまたかけがえのない時間を過ごせたことにキュッときた。ホラーと幻想、優しさ、そして時代のブレンド。嗣人さんの持ち味を存分に味わえ満足の余韻。2026/03/04

yukaring

56
今回もしっとりと幻想的な世界観が堪能できるホラーミステリ。真夜中に死者を乗せて走るという幽霊列車。「この世の不思議なるものを見つけてこい」作家の香月に無理難題を言われた助手の春彦が得た情報は深夜にこつ然と現れては消える幻の豪華列車の目撃譚。どうしても会いたい故人がいる香月と春彦は真相を突き止めるため、幽霊列車が停車するという真夜中の博多駅へ忍び込む。そこで出会ったのは…。幽世の列車と奇妙な乗員たち、迫りくる怪異に切ない出会いと別れ。香月の秘密の一端も明らかになり、ますます目が離せない大正あやかし事件簿。2026/02/01

aki☆

43
早くも第二弾が読めて嬉しかった!今作は幽霊列車。香月先生が嬉々として乗り込むのは分かるけど、助手の春彦もすっかり肝が据わったもんだ、と感心していたらちゃんと目的があった。しかも香月先生までも。生者と死者が入り混じる豪華列車の意味と乗客の目的。そんな話から不意に香月の生い立ちを聞かされて驚いた。香月や白蓮の過去を聞くにつけ裕福=幸福ではないとつくづく感じる。春彦と出会って香月の今があると思うと、罵倒も蹴りも微笑ましいとしか思えない。時々春彦が中学生だということを忘れる笑。面白かった。2025/12/12

ポチ

41
豪華な幽霊列車。この列車では死者に逢えるらしい。香月と春彦は想い人に逢えるのだろうか。幻想的な描写も多く楽しめた作品でした。2025/11/13

はつばあば

37
この作家さんとこのシリーズクセになりそうな面白さです。死者に会えるという豪華絢爛幽霊列車(平成令和の時代になって豪華絢爛列車はあちこち走るようになりましたが)それより安徳天皇が対馬で生きて寿永帝となり脈々と生を繋いで香月が今?大正時代に至るって・・ロマンですねぇ。そして白蓮さんが華族であるのは知ってましたが大正天皇の従妹さんとは知りませんでした。今回は皇室関係絡み、本っていいですねぇ。夢がある。2025/11/30

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