いちばんうつくしい王冠

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いちばんうつくしい王冠

  • ISBN:9784591187555

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内容説明

夏休みの初日、目が覚めたあたしは、見知らぬ体育館にいた。周りには7人の少年少女と、着ぐるみを着た謎の人物が発した言葉――「キミたちにはこれから、一本の劇を演じてもらいます」。なぜあたし達はここに連れてこられたのか。そして、劇が完成した先に待つものとは。その理由と物語の結末が明かされた時、読む者の心も炙り出されていく。吉川英治文学新人賞受賞後第一作。人間の心の深淵に迫る青春エンタメ大作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

hiace9000

129
見知らぬ場所に監禁された8人の中学生。一本の劇が完成するまで家には帰れない。他人を演じる演劇を通して、謎の着ぐるみを着た人物は中学生らに何をさせようとしているのか。おそらく現実にはあり得ぬが、物語界隈では見慣れたベタな設定―からの、意表を突く真実の開示が胸震わせる異色の青春成長小説。人間の本質とは強さか、優しさか、正しさか、冷たさか、弱さか、狡さか、無邪気さか…。正解なきテーマは中高生のみならず、大人の心にも深く切り込む。思春期の「消せない罪」がタトゥーのように心に刻む、羞恥と罪悪感というほろ苦さが蘇る。2026/02/10

tenori

39
著者初読。夏休み初日に目覚めた場所は見知らぬ体育館の床の上。妖精の着ぐるみに身を包んだ座長のもとに「送られた」同世代の見知らぬ少年少女たちは渡された台本を完璧に演じることを要求される。演劇とは本来なら別人格を演じることだが、それが「自分自身を演じさせられ」ていて「罰」として与えられたものだと知る。時に人は無自覚に誰かを傷つける。自分を俯瞰で見るという罰を通じて、傷つけてしまった相手とどう向き合うべきかを問う。エンタメでありながら人間の本質を突く難しいテーマに挑んだ作品だと感じた。2026/02/23

よっち

32
夏休み初日に目覚めた主人公ホノカが、体育館に集められた8人の中学生とともに、謎の座長から「劇が完成するまで帰れない」と言い渡される青春ミステリ。なぜ彼女たちはここに連れてこられたのか。劇が完成した先に何が待っているのか。それぞれに役を割り振られ、最初は互いに警戒し合っていた彼女たちが、稽古を重ねるうちに少しずつ心を開き、それぞれの抱える「罪」や過去が浮かび上がっていく展開でしたが、巧妙な劇中劇を演じることで過去に向き合い、悩みを分かち合い関係を深めていく彼女たちが最後に見出した王冠はなかなか印象的でした。2025/11/27

rosetta

29
★★★★☆デビュー以来全作品がお気に入りという荻堂さんの新作は毛色が変わった不思議な話。目が覚めたら知らない7人と一緒に知らない場所に連れてこられてた中学2年生のホノカ。てっきりデスゲームが始まるのかと思ったら、着ぐるみを着た座長はこれから演劇をしてもらいますと。8人の王子の父王の危篤になり、いちばんうつくしい王冠の持ち主が王位を継ぐ芝居。集められたのはかつて人を傷つけたことのあるメンバー。自分を見つめ罪を自覚する様に求められる。奇人かと思われた座長が実は案外いい人。芝居経験者の自分にも違和感がなかった2025/12/29

信兵衛

28
イジメはどれほど相手の心を傷つけることか。する方は軽い気持ちかもしれませんが、現実には謝っても一生許されることがなくても当然のこと。 その重みを是非知ってほしい。本作はそんな作品です。2025/11/30

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