山と溪谷社<br> ヤマケイ新書 リニアは南アルプスをくぐり抜けることができるのか リニア中央新幹線ダークツーリズムガイド

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山と溪谷社
ヤマケイ新書 リニアは南アルプスをくぐり抜けることができるのか リニア中央新幹線ダークツーリズムガイド

  • 著者名:宗像充
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 山と溪谷社(2025/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 390pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635510943

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内容説明

品川-名古屋間の総工費だけで7兆4000億円という莫大な予算を投じて開通工事が進められているリニア中央新幹線。すでにJR東海単独の事業とはいえない21世紀の日本の国家的一大プロジェクトとなっていて、決して失敗は許されない、後戻りもできない状態となっている。しかし、リニア計画にはさまざまな面で数々の問題点や課題が残されたまま、まさに「見切り発車」で動きだしたというのが実情だ。

最大の懸念のひとつは、リニアの計画ルートが南アルプスの下を抜けて通っていること。山梨県早川町から静岡県を通り長野県大鹿村へと貫通させなければならない全長25kmの南アルプストンネルの工事周辺では、すでにさまざまは問題が発生している。

10年以上前からリニア問題を追い続け、南アルプストンネルの出入口となる大鹿村に移住した著者が、一登山者、山村暮らしの視点から現場のようすを写真とともにレポート。地元の人々、有識者の声も拾いながら、リニア中央新幹線の問題、リニアの光と影を紹介する現在進行形ダークツーリズムガイド。


■内容
・プロローグ
・第1章 リニア中央新幹線とは
3台目のダンプ転落/「リニアの村」大鹿ダークガイド/大西山のブナと鉄塔/大鹿村がなぜ工事現場になったのか?/早くも事故/「工事現場の中で暮らす」現在の大鹿村/リニア中央新幹線とは何か?/リニアは地下鉄?/計画から着工まで/リニア実験線と柏崎刈羽発電所の蜜月関係/リニアのまちづくりの結末/全体計画への懸念~民意が反映されない計画/工事も杜撰/死亡事故起きる/「リニアはペイしない」
・第2章 南アルプストンネル周辺で起きていること
南アルプスの登山と南アルプストンネル/山奥でひっそりと進む工事/国立公園南アルプス/南アルプスの地形と工事の困難/トンネル掘削で生じるもの/残土問題/自然に人が手を加えて被害が拡大したら/重金属による環境汚染/鉱山が出現する/適切な管理は可能なのか/残土問題「先進地」藤野/「ああ大鹿ダンプ街道」
・第3章 リニア中央新幹線ダークツーリズムガイド
山梨リニア実験線の現在
山梨県を横断する 1 山梨県駅/2 小井川駅周辺の地盤沈下/3 境川、異世界のガイドウェイ工場/4 南アルプス市、家々をなぎ倒すリニア新幹線/5 山梨県森林総合研究所、変わらない街並み/6 山間でひっそりと進む工事/7 南アルプス残土街道/8 有害残土をどうする?
静岡県の建設予定地を行く 1 大井川の源流へ/2 大井川源流の工事計画とそれへの疑問/3 工事の安全性は?
長野県の進捗状況 1 南アルプストンネルの進捗状況/2 小渋川非常口付近の状況と水枯れ/3 「伊那谷残土戦争」/4 伊那谷をリニアが串刺しする
豪雨災害をリニアは乗り越えられるか?/遅れる工事の実情/リニアは巨大地震と無縁でいられるのか?/駅前から消えた農業高校
・第4章 関係者・有識者が語る南アルプス
塩沢久仙さん 南アルプス芦安山岳館館長/佐藤博明さん 南アルプス総合学術検討委員会委員長/松島信幸 地質学者・理学博士/村田幸信 やまと渓流会会長/成瀬陽一 渓谷探検家
・第5章 リニア反対運動
声をあげた登山家たち/南アルプス再発見/住民の「理解と同意」の中身/反対と言うと受ける嫌がらせ/伝えないマスコミ/口封じ/自然保護運動の中の南アルプス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

宮崎太郎(たろう屋)

5
南アルプスを貫通させるリニア新幹線トンネル。その現場になる山梨側、静岡側、長野側、そして岐阜とそれぞれの現場に10年以上に渡って現地取材した現場の記録。山屋でもある著者は実際にそのルート上を通って横断したり、実際に住んでいるトンネル出口にあたる大鹿村での日々をつづる。報道だけではなかなか捕まえられないこの大きなプロジェクトの概要を住人目線、登山家目線、なによりこの大きな南アルプスを愛する人間目線で語った新書。プロジェクトの賛成、反対論のためだけでなく、現実を知る一助になる書籍です。読んでほしい。2025/11/16

Daisuke Yagi

0
リニア沿線各地、沿線自治体では、こんなことが起こっているのか!というファクト満載の一冊。 登山者や小屋番もされ、リニア工事現場で暮らす著者の目線で綴られているので、没入しやすい。 リニア問題を当事者目線で見るのに適した1冊。2025/12/08

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