ちくま学芸文庫<br> ボスニア内戦 ――グローバリゼーションとカオスの民族化

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ちくま学芸文庫
ボスニア内戦 ――グローバリゼーションとカオスの民族化

  • 著者名:佐原徹哉【著者】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 筑摩書房(2025/10発売)
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  • ISBN:9784480513137

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内容説明

1990年代に入り、解体へと向かうユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国。ボスニア・ヘルツェゴヴィナの独立をめぐって、国内のセルビア人、クロアチア人、ボシュニャク人の間で対立が激化し、ほどなくして泥沼の争いに進展する。1992年から3年半に及んだこの戦争は、剥き出しの残虐性に貫かれていた。本書は、近代初期からの歴史を辿りながら、複雑な背景をもつ戦争の実態を解明する。〈民族浄化〉はいかなるメカニズムによって生じるのか。なぜ現代世界からは大量虐殺がなくならないのか。本書が描き出す〈特定の集団の選択的抹殺〉の実像は、ジェノサイド再発の抑止へ向けて重い問いを投げかける。

目次

ボスニア内戦と民族浄化──はじめに/I ボスニア内戦の歴史的背景/一 ボスニアにおける民族意識の出現/二 ユーゴスラヴ統一主義の実験/II 虐殺の記憶/一 第二次世界大戦と民族的暴力の爆発/二 ウスタシャによるジェノサイド/三 パルチザン運動の勝利/四 「パンドラの箱」の封印/III 冷戦からグローバリゼーションへ/一 ユーゴスラヴィア社会主義連邦の存立要件/二 民族問題の構図/三 クロアチアの「マスポク」/四 繁栄の頂点としての一九七〇年代/五 連邦解体のメカニズム/六 スロボダン・ミロシェヴィチとセルビア民族主義/七 ボスニア政界の混迷/IV ユーゴ解体──「グローバリゼーション」の戦争/一 複数政党選挙と法と秩序の崩壊/二 ボスニアにおけるシステムの崩壊/三 連邦を支える制度の解体/四 クロアチア戦争とユーゴ解体/V 内戦勃発/一 ジェノサイドの政治利用/二 内戦の準備/三 内戦前夜/四 戦争勃発/五 内戦の概要/VI 民族浄化/一 内戦とジェノサイド言説/二 セルビア人の残虐行為/三 クロアチア人の残虐行為/四 ボシュニャク人の残虐行為/五 民族浄化の本質/VII ジェノサイド/一 スレブレニツァ事件とジェノサイド/二 スレブレニツァのボシュニャク人とセルビア人/三 ジェノサイドの開始/四 虐殺/五 民族浄化とジェノサイドの違いは何か/VIII 内戦のメカニズム/一 「殺し合う市民」と他者への恐怖/二 メジュゴーリエの小戦争/三 内戦と組織犯罪者/四 民兵と脱階級者たち/五 民兵と「普通の市民」たち/六 カオスの民族化/あとがきにかえて──戦後のボスニアとジェノサイド言説/文庫版あとがき/注記/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ポルターガイスト

3
かなりよかった。前半3分の1くらいまではボスニア戦争が起きるまでの背景の成り立ち,後半半分くらいはボスニアのえげつない紛争の内実。前半はかなりスリリングで有用だった。後半は直視し難い残酷さだったが,皮肉にもボスニアの地域ごとの特色や魅力をよく描いていて,ぜひ今後どこかで機会があればバルカン半島を訪れたいと思った。クロアチアや「ムスリム人」の「罪」についても十分な言及があり,ユーゴの失敗をティトーだけでなく国際社会のあり方の変容に結びつけている。2025/11/22

ちゃせん

3
90年代のボスニア紛争について、オスマン・ハプスブルク時代~ユーゴスラヴィアという歴史的背景から内戦の経過、その要因やメカニズムを分析した一冊。以前の単行本から20年弱を経て改訂され、戦争やポピュリズム、ナショナリズムが再び勢いを増している現在に読む価値ある本だと思った。「民族紛争」と単純化されがちなユーゴ紛争だが、実のところ利害や経済といった対立軸や被害者のナラティブが先にあって、それが民族主義というイデオロギーにより正当性を獲得した、というのは、私自身がボスニアにいた直近三年間の実感とも符合している。2025/09/23

miharasi_mamiya

2
ボスニア内戦がなぜ起こったのかを分析。ユーゴスラヴィアという国家ができる前にも内戦のような状況があったことを知らなかった。ユーゴスラヴィアはすんなりできあがった国家ではなく、当時の歴史的状況などがあったから成立できた。そのほころびは経済危機がきっかけであった。内戦の中身を細かく見ていくとローカルな地域内の対立などさまざまな要因がある。また内戦の混乱した状況の中で犯罪組織が台頭するという状況もあった。2025/12/03

Scotts

2
自分たち民族こそ被害者との意識のもと、民族主義者が台頭し、他民族に対する疑心暗鬼が雪だるまのように膨れ上がってゆく負のエネルギー。そのエネルギーが些細なきっかけで解き放たれた後に起こる残虐行為の数々。そして報復の連鎖。ナチスの強制収容所より先に絶滅施設が作られていたとは驚き。2025/11/06

2
数々の残虐行為が列記され、まさに人類の歴史の汚点といえる。これを読んでまず思ったのは、ホッブズは正しかったんだな、ということである。統治機構が機能しなくなり、ゴロツキが白昼堂々闊歩したことが大惨事の直接の原因だからだ。民族主義を抑えきれなかった原因も、統治機構の弱さに尽きるのではないか。2025/10/22

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