内容説明
【収録句より】
等身大パネルのやうな新社員
風鈴や記憶の顔の入れ替はる
骨格で着こなしてゐるアロハシャツ
白葡萄雨が時間となるまでを
長き夜のみな繋ぎ目へ帰りゆく
愛の日や培養肉のハンバーグ
掌にたんぽぽの死を甘やかす
夕立や話の中の焼うどん
縛られて春三日月になるところ
さくらさくらこれは覚えておく桜
目次
【目次】
I 胡瓜サンド/苺ケーキ/蜂蜜ピザ
II 水の飢ゑ/空梅雨/雨の肉/夜の水
III 電子音楽/管弦楽/室内楽/ノイズ/無音
IV 双六の世/ぶらんこの子/漫画の恋/母の夏休み/平日の国/教育風景/Persona
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
古玉
2
2022年の角川俳句賞を受賞した新鋭の第1句集。 「ここを通り抜けたり、ここにとどまったりする、全てのものへ。」と帯文とあとがきにあるように、作風は客観的で冷静で、身近にある物事や状況の意外性を的確に掬い取っていく。けれど全体がどこか感傷的な雰囲気を帯びていて、読み進めていくうちに句の断片がだんだんと心に引っかかり、「通り抜け」ようとする私に「とどまる」よう要請してくる。 気に入った句をいくつか挙げる。 座蒲団に顔を伏せれば夜の雪 留守番や金魚の水の甘さうな 三月や手錠の色の台所 芒原笑ひにも似て私たち2025/10/17
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