内容説明
なぜ、45年ぶりに韓国で戒厳令が宣布されたのか。気鋭の在韓ジャーナリストが、南北分断80年の悲劇と韓国民主化の歴史をひもとき、韓国社会の閉塞感の根源に迫る。社会の隅々に蔓延した左右の対立を超えて、「南北関係」から「二国家関係」へ向かいつつある激動の朝鮮半島を描き出す。「韓国の民主主義」を深く理解するための南北分断史入門。
目次
プロローグ
第一章 尹錫悦が呼び起こしたもの
コラム 群馬から韓国へ
第二章 分断の深層
コラム 韓国での大学生活
第三章 戒厳から民主化へ
コラム 在日コリアンを超えて
第四章 歴史の完成に向けて
コラム さらば日本、韓国への永住帰国
第五章 ピーク・コリア
コラム 日本に伝える
第六章 最後の挑戦
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どら猫さとっち
19
日本で生まれた在日コリアン三世で、現在はソウルに在住するジャーナリスト兼コリアン・フォーカス編集長が、韓国民主主義と南北分断の朝鮮半島の歴史を見つめ、自身の人生も綴った80年の歴史の記録。この間「非常戒厳前夜」というドキュメンタリー映画を観たこともあり、その状況も綴っている。私たちは韓国文化やエンタメに親しんでいながら、朝鮮半島の歴史を知らないでいる。どれほどの人たちがその国が抱えている苦しみや痛みを、知っているだろうか。本書の重みは、並大抵のものではない。2025/10/19
きみどり
15
2024年12月3日の夜、韓国で非常戒厳が宣布された。真夜中にTwitterで見てフェイクニュースかと思ったのを覚えている。「あの夜」を起点に語られる韓国の、朝鮮半島の現代史。非常戒厳、過去に何度もあったのか。すごい力作だった。『JSA』『ペパーミント・キャンディー』『シルミド』など韓国映画の「名作」は、南北分断の副産物だ。文学作品も、ラブコメドラマだってそう。その背景にこんな複雑な諸事情があったとは。そしてこの分断は南北だけでなく韓国の国内にも緊張と閉塞感をもたらしてもいる。2025/10/31
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
13
▼著者は在日コリアン三世のジャーナリスト▼本書は、'24年12月に尹大統領(当時)が突如「非常戒厳」を宣布した際のリポートから始まる▼分断が生んだ歪み 韓国における非常戒厳の歴史を紐解き、その根本原因が「半島の分断」にあることを指摘。さらに「分断」を南北の政権がいかに自国の国内統治に利用してきたかを分析している▼'80年代まで繰り返された民主化運動と、それに対する国家権力の弾圧の歴史についても分断との関わりから記述されている▼韓国を軸に据え、朝鮮半島が歩んだ80年の政治史を理解するために欠かせない一冊だ。2025/12/18
春の夕
6
韓国で非常戒厳が宣布された日にSNSで韓国の方の投稿を翻訳してくれた方がいて、隣国の方々の懸命な行動をリアルタイムで追っていたことを鮮明に覚えている。しかしながら己で探った情報には偏りと限度があり、日本の報道機関の重要度や優先順位も私のそれとは異なっていて、物事の前後を知ることもままならなくて歯痒い思いだった。この一冊では全貌を知ることなどない、けれどまずはこの一冊から始めていく。自分に無関係な国などひとつもない。2025/12/25
young
4
いろんな気づきを教えてくれた。なんとなくにしかわかってなかった分断の歴史。韓国の民主主義の最大値は分断体制が規定するーなんと重たい言葉だろう。一人当たりGDPは日本を抜き、これからは日本がその背中を追うこともあるのかと思っていたが、韓国の抱える課題はあまりにも重たい。戒厳令、分断、革新ーどれ一つとっても日本には無い話である。これからの韓国は一体どうなるのか。留学生の友人たちにもっといろいろ話を聞いとけばよかった2025/12/13




