集英社文芸単行本<br> あなたについて知っていること

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集英社文芸単行本
あなたについて知っていること

  • ISBN:9784087735314

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内容説明

あなたは僕を知らない。僕だって、あなたを知らない。

エジプト、カイロ。親に決められた既定路線の人生を歩む新婚の医師ターレクは、
ある日魅力的な青年アリーと出会い、その平穏な未来は一変した。
保守的な地域での同性愛と不倫は疑惑と波紋を呼び、そして物語は思わぬ方向へと転がり始める…。
喪失と欠落、そして家族の愛を描く珠玉の文芸作品。
カナダのフランス語圏の作家のデビュー作にしてフランスで大ヒット。フェミナ賞とルノードー賞の最終候補となり、「高校生が選ぶフェミナ賞」やリブレール賞(フランス版本屋大賞と呼ばれている)ほか様々な賞を受賞した、話題の一作。

[著者プロフィール]
エリック・シャクール
1983年カナダのケベック州モントリオール生まれ。エジプト人の両親を持つ。パリ・ドーフィンヌ大学を経てモントリオール大学で国際関係論の修士号を取得した。
金融業界で働く傍ら小説を執筆。第一作である本書は2023年カナダでの出版後フランスでも刊行されたちまち人気となり、同年度の「高校生が選ぶフェミナ賞」を受賞したほか、フェミナ賞とルノードー賞の最終候補に選ばれた。翌年にはリブレール賞、フランコフォニー五大陸賞などを受賞。
現在はモントリオール在住。

[訳者プロフィール]
加藤かおり(かとう・かおり)
フランス語翻訳家。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。訳書にガエル・ファイユ『ちいさな国で』、エルヴェ・ル・テリエ『異常【アノマリー】』、ダヴィド・ディオップ『夜、すべての血は黒い』、ブリジット・ジロー『生き急ぐ』(以上早川書房)、アントニオ・カルモナ『サヨナラは言わない』(小学館)、セシル・トリリ『ちぐはぐなディナー』(講談社)ほか多数。

[原題]
Ce que je sais de toi

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

91
「あなたは人生がいつ始まるのか知らなかった」。その人生が始まった時、一方の人生からある欠片が失われることに…。少し前のカイロが舞台。登場人物たちはレバノン等からの移民を祖にする。読み始めるとおやっとなった。語りが二人称なのだ。ふわっとした読み心地。この人称の理由は話の転換を迎えた時に分かる。その際、初めは戸惑ったが、徐々にある情感が湧き上がり、やがて心を大きく占めた。冒頭から読み直すと違う情景が見えてくる。その人を語ったのは背景から行動を理解する優しさからか。人生を思うことで人生を。そこに懐中時計が残る。2026/01/16

練りようかん

18
『生き急ぐ』が良かったので訳者きっかけで手に取った。舞台はカイロ。父のあとを継いだ男性医師。家族やコミュニティでも求められる役割は大きいが迫るのは孤独感で、3部構成の第1部は2人称で語られる1949年生まれの半生だ。エジプトの法には同性愛がないことになっているが男娼はいて、国と時代に認識の歪みを感じる背景。噂、差別、愛する人の死。心をどこに配ればいいのか全方位が引っ掛かる群像劇とも言える読み口で、第2部に入ると気になってた視点が判明。不在の存在と喪失が読後初めてスリリングだったと感じるほど異様に没入した。2025/11/29

nukowan

10
エジプト・カイロに住む医者の息子が主人公。少年の物語。二人称で主人公のことを「あなた」と表現して物語が語られていく。家業の医者を継ぐボンボンの青年。青年は幸せな家庭を築く。その家庭が主人公の道外れた恋のせいで崩壊してしまうところまでが物語の半分くらい。恵まれた環境で与えられるだけの人生において「選んだ運命」とは。/前半のキスシーンからの浮かれきっているところまで読んでて停滞していた本。後半読み始めたらほぼ一気に読んだ。おもしろかったです。ラスト部分はハラハラしながら読んでいました。デビュー作ですって。2026/01/13

駒場

7
「カイロ、1961年。「おまえは将来、どの車がほしい?」投げかけられたのはこんな単純な質問だったが、当時のあなたは単純な質問こそ警戒しなければならないことを知らなかった」こんな一文で始まる。あなたとは?読者のこと?死者か神の視点?と読み進めると、人生を家族に決められた男医師が、結婚後に貧しい青年と出会って……という家族小説であり社会小説でありBL小説なのか?と思う。そこで十分面白いが、後半「あなた」の意味することがわかり、そして「あなた」の行動を断言せず「~したはずだ」と語るようになると、この物語の虜です2026/01/04

ますずし

6
図書館で偶然手にした本。タイトルと表紙に惹かれ読んでみた。意外とは失礼だかホントにおもしろかった。読み始めはエジプト現代史的かと思っていたらとんでもない、とても普遍的な愛についてのお話です。読む価値ありです。2026/02/20

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