角川書店単行本<br> 私労働小説 負債の重力にあらがって

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角川書店単行本
私労働小説 負債の重力にあらがって

  • 著者名:ブレイディみかこ【著者】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • KADOKAWA(2025/10発売)
  • 2026年も読書三昧!Kinoppy電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~1/12)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041141427

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内容説明

Don‘t Blame Yourself!
セクハラ、パワハラ、カスハラ、人種差別に事なかれ主義やポジティブ教の上司まで。
ジョブには最低なものとの戦い(ワーク)がつきまとう。
ホールスタッフ、激安量販店の店員、屋敷の掃除人にローンの督促人etc.
「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々のシット・ジョブを軸に描く、自伝的小説にして魂の階級闘争。

「あたしたちは負債の重力に引きずられて生きている。」
だが、負債を返済するために生き続けたら人間は正気を失ってしまう。シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。
店員やケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。
他者のケアを担う者ほど低く扱われ、「自己肯定感を持とう」と責任転嫁までされる社会。自らを罰する必要などないのに。
働き、相手に触れ、繋がる。その掌から知恵は芽吹き、人は生まれ直し、灰色の世界は色づく。
数多のシット・ジョブを経た著者が自分を発見し、取り戻していった「私労働」の日々を時に熱く、時に切なく綴る連作短編集。

みんな誰かに負債を返すために生きている。それこそが、闇だ
■面倒を避け続ける職場では、いいことは悪いことになり、悪いことがいいことになる。
■上から目線の人々は、あまりに視線の位置が高すぎて、その位置から下の人間の姿が見えてない。だけど、なんとなく下のほうに人がいる気配がするので、とりあえず声はかけておくが、相手の姿は見えないし声も聞こえないのだ。
■嫌と言えない理由があるから貸すのであり、返さなくてもいいという暗黙の了解もあるのだ。こういう特殊な取り決めが成り立つ関係を、家族と呼ぶのだろうか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

とよぽん

66
ブレイディみかこさんが経験したこと、見聞したことが色濃く反映された短編小説6篇だった。英国、アイルランドの底辺労働者に対する差別や偏見を陰に陽に描いている。働くことは生活を維持していくために必要だが、そこに精神的肉体的苦痛が伴い、時には大きな打撃を受けることもある。してやった、してもらった、という関係において「負債」が重しとなり、働く人の心身が病んでいく。それを吹き飛ばすエネルギーを労働者たちの団結がもたらすならば・・・。Don't Blame Yourself ! という表紙の言葉が印象的だった2025/12/29

たかこ

65
ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』より前の話なので、こういう体験があったからこその、あの子育てなのかな、と繋がる部分も。この本では、どんな仕事をしても、ブレイディみかこさんの「俯瞰する」力に圧倒された。「負債の重力にあらがう」「負債の重力に引きずられて生きる」ことがどんなに大変なことか。単にゼロからの出発ではない、マイナスから始まっていたんだと気づいた時、生きるのは切ない。最終話の「督促ガールの手記」の喫茶店のシーンが印象的。手を握ってあげたい。2026/01/09

読特

56
勤め先のスナックのママにストーカーされる。万引きを捕まえて叱られる。皿洗いで雇われたのに、チャイナドレスを着て受付に立たされる。邸宅の清掃バイトをして、”見るな”とメモされていたものを目にする。量販店で列に割り込んできた男をのらりくらりと時間をかけてあしらう。借金取り立ての電話をして、盾にされた子供を相手に、自らの幼少時代を回想する。…末端に追いやられ、給仕するだけの側に回り、観察し、呆れながら、自らの身の上を受け入れる。稼ぐのは、富を築くためではなく、負債の重さにあらがうため。人々は今日も暮らしている。2025/11/09

シャコタンブルー

51
六話の葛藤と静かな闘争の自伝的小説だった。水商売、スーパー、レストラン、掃除人等が登場するが誰もが何かの重荷を背負っている。労働と負債返済道徳という支配に囚われながら生活している。金銭との見返りで自分自身をがんじがらめにして苦しんでいるようにも思える。権利と主張はするが諦めも混ざっている。あの時代の英国、アイルランドで搾取されていた従業員のため息や嘲りが鮮やかに伝わってきた。「店長はサクセスお化け」が印象に残った。嫌な客に対して見事な機転でやり返した福店長に拍手喝采。2025/11/19

たまきら

38
私たちは働くー様々な状況下で。その中でも多くの人たちが「最底辺」とか、「ブラック」とか言うであろう仕事を見る。この人の言葉は小説でない方が自分にダイレクトに伝わって好みですが、自分の体験してきた様々な仕事を思い出して愉快な気分になりました。今までで一番しんどかった仕事って何だろう?そういえば、レストランはじめ、接客業は本屋さんのバイト以外何一つ受からなかったなあ…。2026/01/05

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