中公文庫<br> 明治のナイチンゲール 大関和物語

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中公文庫
明治のナイチンゲール 大関和物語

  • 著者名:田中ひかる【著】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 中央公論新社(2025/10発売)
  • 夏至&父の日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~6/21)
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  • ISBN:9784122077089

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内容説明

NHK朝ドラ「風、薫る」原案!

明治時代、「カネのために汚い仕事も厭わず、命まで差し出す賤業」と見なされていた看護婦。家老の娘に生まれながら、この「賤業」につき、生涯をかけて看護婦の制度化と技能の向上に努めた大関和。和は離婚して二人の子を育てる母親でもあった。和とともに看護婦となり、彼女を支え続けた鈴木雅もまた、二人の子を持つ「寡婦」であった。これは近代日本において、看護婦という職業の礎を築いた二人のシングルマザーの物語である。


【目次より】
●第一章 故郷黒羽
家老の娘/「嫁田」の友/田打桜/物言う嫁
●第二章 鹿鳴館
パン・ペルデュ/牧師植村正久/鉄道馬車に乗って/「看病婦」と「看護婦」/婦人慈善市/大山捨松からの誘い/リディア・バラの決意/メアリー・トゥルー/横浜の貧民窟/鄭永慶の最期
●第三章 桜井看護学校
「東の慈恵」「西の同志社」/校長矢島楫子/断髪の新入生/広瀬梅の苦学/『Notes on nursing』/火屋磨き/「不義の子」/病院実習/「器械出し」の名人/花魁心中騒動/「泣キチン蛙」/トレインド・ナースの誕生
●第四章 医科大学附属第一医院
「白衣の天使」/松浦里子と本多銓子/「我朝のナイチンゲールとならん」/医師との軋轢/「求めよ、さらば与えられん」
●第五章 越後高田「知命堂病院」
高田女学校/廃娼演説会/木下尚江との出会い/瀬尾原始との再会/心の夢/鈴木雅、天然痘と戦う/日本初の派出看護婦会/婦人矯風会の授産施設/赤痢の村へ/村人たちの抵抗/「避病院」の改良/国恩と信仰/日清戦争と看護婦/「衛生園」にかけた夢/岡見京との邂逅/梅と「ルツ子」/車上の花見/慈愛館の昼餉
●第六章 東京看護婦会
派出看護婦会の乱立/後藤新平との約束/監獄署へ通う/木下尚江からの求婚/相馬愛蔵の誠意/遊郭から逃げた少女/『派出看護婦心得』/心の死/箱根への隠遁/鈴木雅の引退/「貴官の剣を貸し給え」/『婦人従軍歌』/六郎の結婚/慰問袋運動
●第七章 大関看護婦会
復彦との再会/炊き出しでの出会い/「生まれては苦界、死しては浄閑寺」/大関看護婦会/六郎の客死/内務省「看護婦規則」/大山捨松、スペイン風邪に倒れる/鈴木雅との別れ/関東大震災
●おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ぼっちゃん

59
NHKテレビ小説『風、薫る』ドラマ原案。実際とは二人の設定が大分違いがあった。今は看護学校が始まったばかりだが、看護師になってからの方が色々なことが起こるのでドラマの内容としては困らないだろうが、内容的には朝ドラとして重めにならないかなと少し心配になるが。二人は考えが異なる異なることもあるが支え合ったのは間違いない。2026/05/04

yumiha

41
朝ドラ原作本だと思っていたら、ドラマ仕立てではなく、学術的ノンフィクションだった。朝ドラ、エエとこ取りしてると思った。大関和(ちか)と鈴木雅を中心に日本初めてのトレインド・ナースが、偏見を少しずつ打ち破りながら、多くの助力を得ながら、今日の看護師制度を築き上げてきた歴史を教えていただいた。何よりも2人の背骨にはキリスト教があり、看護師制度だけではなく、遊郭に売られた女性たちが新たな人生に踏み出せるように援助する授産施設にも関わって来られた。当時と大きく変わった所と、いまだに引き摺ったままの所が気になった。2026/04/20

エドワード

28
朝ドラ「風、薫る」の原案で日本初の看護婦・大関和(ちか)の物語。彼女は暴君の夫、賤業との蔑み等を乗り越え、日本初のトレインド・ナース養成所・桜井看護学校に入学する。同級生に鈴木雅(まさ)がいた。概ねドラマ通りだ。玉田多江にもモデルがいるのね。ナイチンゲールに共鳴する彼女たちのキリスト教との親和性、廃娼運動に関わる過程もよくわかる。実際は雅も武家の出だが、ドラマでは娼婦の娘であることは、この先の布石であろう。和が看護を献身的な精神論に傾く時、雅が合理主義に修正する。まさに魂の番。この先が楽しみだ。2026/06/11

Roko

27
どこまでが仕事なのか、どこまでが奉仕なのかという論戦が何度も、大関和と鈴木雅の間で交わされています。人を助けたいという気持ちだけでいてはいけないしすべての人に平等に医療をと考えても、それも難しいことだし。医師が考える医療と、看護師が実際に行っている医療、そして患者やその家族が考える医療、それらが一致しない場合が多いということも、とても難しい問題です。看護師(看護婦)というたいへんなお仕事に従事される方たちが、本当に報われる世の中になるのは、いつなのでしょうか?#朝ドラ2026/06/18

あまね

19
良書です。とても面白くて、最後まで失速しませんでした。朝ドラも拝見していますが、今のところ軍配はこちらの原案です。大関和さんも鈴木雅さんは考え方が違っていても、『利他』の心が重なっていたことがよく分かりました。そして、今の看護の礎を築くことができたのは、お二人がいたからなのですね。それにしても、明治の女傑はどこかで何かしら繋がってます。大山捨松、矢島楫子、新島八重、相馬黒光…。本書に出てくる女性は、皆すごいです。2026/05/09

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