無数の言語、無数の世界――言葉に織り込まれた世界像を読み解く

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無数の言語、無数の世界――言葉に織り込まれた世界像を読み解く

  • ISBN:9784622097778

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内容説明

空を指して時刻を語り、右や左がなく、匂いを抽象的に語る。世界の見方がどれほど異なりうるかが世界中の言語を通して見えてくる書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

sayan

23
本書は英語=WIRED(白人男性・高学歴層を中立とする世界像)が思考の標準とされてきた前提を破壊する。時間・空間・匂い・親族関係の概念が言語毎に異なり世界像は分人から成る。he を中立に性別表示を規制する代名詞体系は性別非標示の言語や単数 they を周縁化し他の世界像に沈黙を強いる。平野啓一郎の分人概念を世界観の分人に射程した本として読める。「FINE」は個人と代名詞の関係ナラティブだが本書はその前提となる世界像の設計権を問題化。往復すると言語が思考・制度・他者理解の土台とする支配構造が立体的に見える。2025/12/09

izw

8
図書館から借りて、8章のうち5章まで読んだところで期限がきたので返却します。世界中の言語を調査すると、空間、時間、色彩、匂い、親族の表現が多種多様である。それらが、環境と関連するか、因果関係があるかなどの研究が進められているが、結論が出ているものは少ないようです。残り3章は、発話、文法に関する話題のようだが、蔵書1冊なのに12人の予約があり、続きを読めるのは半年以上先となりそうです。2025/12/12

林克也

3
面白い。というかとても勉強になった。言葉は大切だが、それぞれの言葉の成り立ちは多様だということが、とりあえずの私の理解。2025/11/23

SNagai

2
本書の最後に「バベルの塔」の伝説に言及があるように、世界にいかに多くの言語があるかということが、本書により理解できる。またそれらの言語は。その地域の緯度、自然環境、気候、その社会の歴史、口蓋の形状等によりそれぞれの在り方があり、単純な法則はないらしい。かつてすべての言語が従う「普遍文法」というものが考えられた時代ががあったが、いまはそのようには考えられていないようだ。喫緊の課題は、少数人数の言語が、経済的な理由により若い世代に受け継がれないため、消滅の危機に瀕していること。2025/12/30

Go Extreme

2
言語は世界の見方を形成 誤った普遍性 約7400の言語 言語の多様性を過小評価 時間表現方法の違い 過去は前方、未来は背後 時間は上下方向 時間を空間に投影する方法なし 色彩認知←言語の影響 言語が知覚プロセスに参与 においの語彙・劇的な言語差 豊かな抽象的なにおい語彙 言語→感覚知覚の構造 空間概念における根本的違い 地形中心的な空間認識 身体部位と言語化における環境 音韻体系と歯の形態 言語←生物学的・環境的要因 言語と思考の相互作用 数字の不在ーピラハ言語 言語の再帰性への挑戦 言語的多様性の重要性2025/11/17

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