内容説明
16歳のリリーは学校でいじめを受けている.理由は「太っているから」.母親も体型に悩みを抱えていて,家から一歩も出ようとしない.父親のすすめでボクシングを始めたリリーは,自分の心と体に向き合いはじめる.傷つき,それでもまた立ち上がる母と娘.みずからの尊厳をかけて闘う彼女たちの姿を描く.カーネギー賞候補作.
目次
第一部
第二部
第三部
第四部
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
shoko.m
2
リリーは学校でひどいいじめを受けている。体形のせいで。あまりにもきつい仕打ちを受けた日、ついに両親に起こった出来事を打ち明けたリリーは、父親からボクシングを奨められる。そこで知り合った友人との出会いもあり、リリーは少しずつ変わり始める。リリーと、同じく体形に悩みを抱える母親の視点で語られている。するすると読みやすいのは、詩の形でかかれたものを日本の読者にあわせて小説の形に訳してあるからか。死んだように息をひそめて暮らしていたリリーや母親がっ自分を取り戻せたのはうれしい。ロージーのその後はちょっと気になる。2025/12/13
You
2
今なのか過去なのか、現実なのか夢なのか心象風景なのか、今ここがどこなのか、時空の軸があちこち飛びながら曖昧に書かれて読みにくく、金原氏の携わった訳が変ということもなかろうが…と訝ったが、それもそのはず原書は「ヴァースノベル(物語詩)」というジャンルで書かれ、それを日本の読者にも馴染めるように小説らしく訳したものとのこと。うーん、なるほど。良いとも悪いともなく、なるほどという感じである。内容的には、朝ジョグ歴1ヶ月且つ殴られたら殴り返したい私に響くアツいスポ根物語だった。でもビアン描写は余計だと思った。2025/11/03




