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内容説明
囲碁棋士・一力遼が自身の歩みを振り返りつつ、現代囲碁とAIの関係、そして勝負の本質について綴った一冊。2024年、囲碁界最高峰の国際大会である応氏杯において、日本人として27年ぶりの優勝を成し遂げた著者は、長年閉ざされていた「世界一」の扉を自らの手で開いた。日本囲碁界が国際舞台で苦戦を続ける中での快挙は、時代を塗り替えるものであった。本書は、その歴史的勝利に至るまでの軌跡を、冷静かつ率直な筆致で描いている。5歳で囲碁に出会い、地元の教室で腕を磨きながらプロを志すまでの過程、数多くの試練や葛藤、そして院生時代の厳しい競争が語られる。特に印象的なのは、負けて悔し涙を流しながらもすぐに前を向く幼少期のエピソードであり、そこには「他の子とは違う」と評された芯の強さが垣間見える。囲碁界は今、AIの台頭によって劇的な変化を遂げている。従来の常識が次々と塗り替えられる中、著者はAIの知見を受け入れつつも、自らの感覚を信じて「人間としての最善手」を模索してきた。その姿勢こそが、本書のタイトルに込められた意味であり、現代の棋士が直面する新たな挑戦でもある。勝負とは、ただ技術を競う場ではなく、自分自身と向き合い続ける場でもある。挫折と成長を繰り返しながら築き上げた信念が、一手に表れる一本書には、その覚悟と進化の過程が余すところなく記されている。囲碁ファンのみならず、AI時代における人間の可能性を考える全ての読者にとって、深い示唆を与える一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
12
トップ棋士の一力遼の本。AIの活用で水を開けられていた中韓に迫り差が詰まったというのが面白い。スポーツ競技化は有力な方向性のひとつに思える。ルールはわからなくとも日本が勝ってれば応援するしね。2025/10/27
jjm
7
日本最強であり世界最強の一人と言ってもよい一力さんの著書。日本と中韓の碁の違いとして、長考型⇔早碁、個人研究⇔集団研究、文化⇔スポーツ、国内戦優先⇔世界戦優先。研究についてはAIの普及によりカバーされつつあるらしい。燃え尽き症候群になっていたのは知らなかった。いつでも平常心を保てるようメンタルトレーニングをしているとのこと。座右の銘「而今」を作ったのもその一環。ルーチンを作るのもいいらしい。日本囲碁界の将来を憂慮していて、囲碁人口の増えている台湾のように「教育としての囲碁」として推進できないかとも。2025/11/26
Shun'ichiro AKIKUSA
6
世界大会で活躍するために、メントレをし、体を鍛え、整体などに通ってフィジカルを整え、トレーニングパートナーをつけ、食事にも気をつかった話はおもしろかった。文化として碁を保護してきた新聞社が厳しい以上、中韓の様にスポーツ化するしかない。中国市場や女性棋士など、将棋よりもビジネス的なポテンシャルは高いので組織を改革してがんばってほしい。2025/11/29
OjohmbonX
4
中国や韓国では囲碁がスポーツ、棋士がアスリートの扱いで、対局時間も短く、開始時間も夜遅くに設定され、ファンがエンタメとして楽しめる工夫がされているという話が面白かった。日本は文化や芸事としての側面が強く、それが悪いことではないが、世界的な大会で中韓の後塵を拝する要因になっている。台湾は子供の成長に良いからと塾で習わせる形で普及しているというまた違いがあるのが面白い。一力遼という人の思考そのものを知るというより、あくまで碁を知らない一般読者向けに囲碁の状況を紹介するような本。2025/11/05
TomoT
1
とてもよかった、1.2章で著者の経歴、簡単な囲碁のルールと現代社会と囲碁社会の共通点をのべた後3章で棋士の方々がどのようにaiと競争→共生してきたか、aiのプロコンについて述べ、その後4章5章でトップ棋士に至るまでの著者の苦難と打開策、囲碁界の今後の課題を述べ、普及活動で締めていた。 この本のメインは3章で、AIとの共生する時の注意点、AIが今後の社会にどのように溶け込んでいくかを示唆する内容は他プロの成功例も交えてて分かりやすく、また一般の人にも共通する部分が多くあったと思う。2025/10/29
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