時の家

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時の家

  • 著者名:鳥山まこと【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 講談社(2025/10発売)
  • 梅雨を楽しむ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~6/14)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065412275

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内容説明

第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作!

ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。
三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。

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いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦!

「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」
――いしいしんじ

「紐解かれていく「時の家」の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。」
――松永K三蔵
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青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。
目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。
幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。

【装幀】水戸部 功

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

262
第174回芥川賞受賞作&候補作第二弾(2/5)、第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞W受賞作です。本書は、ある家に暮らしていた三代の住人たちの存在と記憶を綴った建築文学でした。人の一生と建物の一生は似ていると著者は言いますが、私は異を唱えます。著者が、次どう展開するかにもよりますが、このままでは売れない芥川賞作家の道を突き進んでしまいそうです。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/00004192532026/02/23

青乃108号

256
ある古びた家。かつて施主であり建築家だった藪さん、塾をひらく緑さん、そして圭さんと修さん夫婦。3代の人々がその家で暮らした時間と記憶が、空き家となったその家で、昔、藪さんを慕った青年のスケッチする柱の藤巻きの傷や漆喰壁の凹みや亀裂、洗面所のタイルの模様や、建具の引き手などから蘇る。文章は章立てもはっきりした区切りもなくそこで生きた人々を、その時間を、その思いを、自由に横断し滔々と流れる様に静かに読み手の感情に訴えてくる。ラストの解体屋はバールで、ハンマーであらゆる物を手順通りに叩き壊す。ただ無情感が残る。2026/05/16

ウッディ

146
その役割を終え、取り壊される寸前の一軒の家に入り込み、スケッチをする青年の心に目に、かつてその家に住んだ人たちの営みが見えてくる。建築士の藪さんがこだわって丁寧に建て、圭さんと脩さんという夫婦が住み、夫の赴任先から一人帰国した緑が塾を開いた家に刻まれた記憶がよみがえってくる。ノスタルジックな雰囲気は感じられるが、登場人物や 時系列が把握しにくく、とにかく文章が読みにくく、140頁あまりの薄い本なのに、時間がかかってしまった。やはり芥川賞とは相性が悪い。2026/04/28

trazom

132
芥川賞受賞時、著者が建築士であることが注目されたが、なるほど、家を主人公にし、家に語らせ、建築の細部を丁寧に描写したこの作品はユニーク。最初の住人である設計者、子供たちの塾として使った二代目、そして三代目の夫婦の物語を、青年が紡いでゆく。丁寧に描かれる建築のディテールは、記憶がディテールの積み重ねであることを教えてくれる。家が、「思い出」の切なさと「時間」の経過を教えてくれる。そして最後に家が解体される。「人間の最期と家の最期はよく似ているかもしれへんなあ」。淡くて切ないこの小説の雰囲気が、私は好きだ。2026/05/07

ゆきねこ

126
まるで生きているかのように家が呼吸し、住んでいる人たちと共に時を過ごす。建築家が書いた小説は家が主人公。設計した薮さん。塾を開いていた緑。夫婦で住んでいた脩さんと圭さん。家の最後を見送った青年。それぞれの年代の住民が家と共にそこにいる。作者の家に対しての愛情が強く感じられる。家が破壊される場面は辛かった。悲鳴さえ聞こえてきそうだった。家は記憶と共にある。一緒に暮らす人は愛情があるから一緒にいられる。記憶がなくなってもそこにいたという事実は残る。切なくて毅然とした小説。2026/03/25

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