内容説明
温かな眼で日常を掬い取り、物語の向こう側を描く、
大好評エッセイ集『遠慮深いうたた寝』第二弾!
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毎日歩いている道端、何気なくつけたテレビの画面、劇場のロビー……
胸に飛び込んできた一瞬が、思いがけず深く刺さり、
奥行きが生まれ、隠れた扉が開かれて遠くから光を運んでくる。
――小川洋子
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日常の出来事、創作、観劇、野球、読書……「神戸新聞」の連載エッセイ「遠慮深いうたた寝」などの最新エッセイを中心に編み上げた極上エッセイ集。
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I 遠慮深いうたた寝
II 自転車と図書室
III 小説に触れる手
IV おじいさんと通りすがりの者
V 想像力の冒険 本と読書
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*美しい装幀が話題
九谷焼による陶板画・上出惠悟/デザイン・名久井直子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
179
小川 洋子は、新作コンスタントに読んでいる作家です。4年前に読んだエッセイの続編、遠慮深い性格の著者が、ユーモラスに綴ります。遠慮深い性格の著者が、阪神タイガースファンなのは、疑問です(笑) https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309032344/2025/11/22
hiace9000
128
小川さんエッセイには、どこか詩的でありながらも、明解な語りの「珠」がある。心のなかの「ここか!」という着地点その場所に、自分でも見つけることも、拾い上げることできずにいた「珠」を"そっと置いて”もらえるのだ。小説と向き合う作家としての真摯な眼差し、一つ一つの言葉を積み上げ、読み手に差し出す潔くも強い覚悟。わたしは数多ある作家さんのような文章は、まず書けない凡人に過ぎない。だが、人生の経年変化の折々で出会う小説という物語が与えてくれる、言葉にならぬほどの感動と沈黙を心待ちにする良き読み手でありたいと思う。2025/12/18
シナモン
105
予定通りにいかないと必要以上に慌てて、平常心を失う洋子さん、小説を書かなきゃいけないのにテレビを観てしまう時、罪悪感を減らすためにバランスボールに乗る洋子さん、新しいスマホの充電が100%から99%になると悔しくなる洋子さん、そんな洋子さんの日常に親近感を覚える。が、そんな日常の断片を洋子さんが綴るとそれ自体が物語のようで、やはり洋子さんの筆力はすごいなと思わされる。ささやかで、慎ましくて、遠慮深くて。小川洋子さんの小説の世界観はこんな日常から生み出されるのだな。 紹介されている本もぜひ読んでいきたい。2025/11/27
tamami
87
作者名を見ただけで手に取り、購入してしまう作家さんが何人かいるのだが、本書の著者小川さんもその一人。エッセイとして、経験者でなくては書けない「授賞式の思い出」や「アルルへ行く」などの諸篇も含まれているが、何気ない日常の気づきや読書のレビュー、子どもの頃の思い出など、誰にでも起こりうる出来事が、著者の筆にかかると、そのどれもが一遍の上等なショートストーリー仕立てになっていて、練り上げられた文章に、ペンの持つ力を感じる。無意識のうちに著者の本を毎回手に取ってしまう所以かもしれない。今回も楽しませてもらった。2025/11/06
ちゃちゃ
86
あぁ、なんと興味深いエッセイ、日記、書評の数々なのだろう!日常に向けた視点がユニークでマニアック、半端ない妄想力、言葉や創作への真摯な姿勢、読者としての深く鋭い読解力、行間から零れ落ちるユーモアや可笑しみ、小説へと連なってゆく独自の死生観(時空を超えた死者との対話)、声なき声を掬い取ることが小説家としての使命だという創作観…、挙げたらきりがない。つまり私は、小説だけではなくジャンルを超えて小川作品に魅了されているということ。それは彼女のお茶目で「遠慮深い」人となりにも魅かれているということでもある。2026/01/07




