わたしのおとうさんのりゅう

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わたしのおとうさんのりゅう

  • 著者名:伊藤比呂美
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 左右社(2025/10発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/31)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784865284911

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内容説明

私は、『エルマーのぼうけん』を日本で初めて読んだ子どもです。
父はやくざでした。母は芸者でした。

高度経済成長期に入りかけた頃の東京の板橋区の裏町の裏通りをさらに入ったところで、「私」は夢中で本を読み、父と母は過去を隠して暮らしていた。

『少年少女世界名作文学全集』、『風にのってきたメアリー・ポピンズ 帰ってきたメアリー・ポピンズ』、『シートン動物記』、そして父に読み聞かせてもらった『エルマーのぼうけん』と『ドリトル先生アフリカゆき』……

「私」の一生を貫き、その言葉をつくりあげてきた児童文学を追ううちに、読み聞かせてくれた父の声から引き寄せられたのは「私」の幼いころの記憶、「私」の知らなかったこと、思い出せない父の背中の刺青。

父と母はなぜあのように暮らしたのか。記憶の海に溺れながら、児童文学と翻訳と、「私」につならる人々をめぐる道行き。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

88
【『エルマーのぼうけん』の原題は、『Elmer’s Adventure』ではなくて、『My Father’s Dragon』】『エルマーのぼうけん』から始まった児童文学、自身や父や母のことなどをたどった道行きの記。<父がやくざであったことを、家の中ではごく普通に話題にしていました。/父と母が何を語って聞かせたか、何を私に語らなかったか。覚えているのは断片的なことばかりです。でも私に、物心という心がついて気がついたのは、一歩外に出れば、親たちは、二人とも、父の刺青をひた隠しに隠していることでした>と―― ⇒2026/01/08

どんぐり

88
本書タイトルの「りゅう」は、印刷所の工場長だった父親が読み聞かせてくれた児童文学『エルマーのぼうけん』に登場する「りゅう(ドラゴン)」に由来する。伊藤比呂美が生まれた昭和30年、その父親はすでに堅気になっていたが、かつて山口組三代目組長・田岡一雄を「叔父貴」と呼んだ男だった。家の中では、父がやくざであったことがごく普通に語られていた。背中一面に刺青を持つ父、そして「ひ」の音を発することができない元芸者であった母の記憶もまた、隠されることなく語られる。→2025/12/14

mike

87
表題は「エルマーのぼうけん」の原題。伊藤さんの父親が印刷屋に勤めていた関係で彼女は日本で初めてこの本を読んだ人。大好きな父親との思い出。娘に本を読んでやり世界名作全集を揃えてやり穏やかで優しかった。でも父親には娘の知らなかった壮絶な過去があった。一方、折り合いの悪かった母。不愛想で気難しく長らく彼女を受け入れられなかった。しかし彼女にはそうならざるを得なかった人生があった。70歳になり、ようやく清濁併せ呑むことができるようになった伊藤さんの静かな追想。最後の数ページは涙で文字が滲んだ。2026/01/16

fwhd8325

75
面白い。そして、襟を正すというか、背筋をピンと張るような気持ちになりました。「エルマーのぼうけん」から始まる、この物語は、著者の父への愛情であふれている。戦争という歴史をまたいた人生は、比類ないものなんだと感じます。壮大な人生、そして負けない愛情の深さです。2026/04/02

yumiha

45
『エルマーのぼうけん』の原題は、『My Father's Dragon』だったとは。fatherについての記述を無意識に読み飛ばしていたことに、まず驚いた。それから語られる著者の両親の姿にも驚いた。更に父から聞いた話や思い出の後付けのために「軍歴証明」や戸籍を確かめたり、ノンフィクションライターから資料をもらったりする著者の拘り?執念?にも驚いた。そうやって両親の生きてきた歴史を掘り起すのは、思いの強さだけではなく、物書きとしての性根だと思わされた。小説よりもずっとドラマチックなノンフィクションだった。2026/03/23

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