内容説明
【文庫版限定・書下し短篇収録】
【解説・吉田伸子】
【第六回大藪春彦新人賞受賞作家、長篇デビュー作!】
御役目は必殺!?
刺客となった少女と人斬れぬ御供の武士。
死への旅路の果てにあったのは……。
「無念を晴らす為やったら、鬼にでも夜叉にでも、喜んでなったる」
旗本の次男坊である真木誠二郎は、裏目付の佐野から、ある御役目を言い渡される。
尊王攘夷派の黒幕を誅殺すべく、江戸から京まで刺客の供をせよと。
しかし誠二郎は生来の臆病者。
鬼のような刺客と聞いて怯えるが、現れたのは年端もいかない少女・美津だった。
悲しい過去を持つ彼女を守るため、誠二郎は死力を尽くすことを心に誓うのだが――。
謀略の渦巻く仇討ち旅が幕を開ける!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
びぜんや
5
読友さんのレビューを見て気になっていた本。文庫化を機に手に取ってみましたが、なるほどこれは面白い。血を見ると気絶する武士と剣の天才でありながら年端も行かない奔放な少女というコンビが、密命を帯びて京へ赴くストーリー。主人公ふたりはもちろん、脇役もキャラが立っていますし、コメディのように進めながら瞬時にシリアスに転じて見せる手際は見事。文章は平易でややこしいことなく読み進められるのもいいですね。まさにザ・エンタメといった趣の好作品でまだまだ続きを読みたくなってしまいます。文句なしの5つ星。★★★★★2025/11/24




