内容説明
揺れ動く「盟主」のジレンマから読めない中東情勢を読み解く。
イスラエル建国から4度の中東戦争、湾岸危機、9.11テロ、そして和平イニシアティブまで、サウジアラビアを軸に1940年代以降の歴史をたどり、中東問題の構造を明らかにする。
一貫した歴史的視座なくして、中東は読み解けない。
アラブの「盟主」サウジアラビアはしかし、イスラエルと欧米諸国に対して最も穏健な立場をとってきた。本書は、現地の公文書や地元メディアの報道など膨大な資料を駆使して、安全保障/経済的利益/アラブ意識/イスラームという4つの視点からサウジの外交政策を分析、歴史的に形成された中東問題の構造を解き明かす。
目次
プロローグ――アラブ・イスラームとアメリカの狭間で
第1章 読めない中東を読む――なぜサウジなのか?
第2章 イスラエル建国の衝撃――第一次中東戦争への道程
第3章 武器としての石油禁輸――第二次・第三次中東戦争とアラブの挫折
第4章 「石油による戦争」の成功と限界――第四次中東戦争とサウジの苦悩
第5章 中東和平のイニシアティブ――サウジは何を求めたか
エピローグ――歴史から読み解く、サウジ外交の構造
あとがき




