内容説明
四十年ぶりに、高校時代を過ごした淡路島を訪れた圭介。かつて打ち込んだ人形浄瑠璃部の仲間の思いがけない歓迎と恩師の死を機に、島を去る原因となった出来事と向き合い始める。それは運命に抗い、恋に溺れ、島を駆けた夜のことだった――。ベストセラー『あん』の著者が贈る、名もなき人々の人生を力強く肯定する最新長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mike
83
2300冊キリ番。淡路島の高校の人形浄瑠璃部が舞台。歌舞伎よりも歴史の古い人形浄瑠璃は淡路島から全国に広がったそうだ。主人公の圭介は父親が罪を犯したため、祖母を頼って島にやって来た。高校で人形浄瑠璃の世界を知り、友と出逢い、恋をした3年間は決して甘いものではなかった。彼の境遇と心情が浄瑠璃の演目とリンクして深い味わいを持たせている。2026/04/19
シャコタンブルー
49
私のレビューが最初とは嬉しいが微妙なプレッシャーも感じる(笑) でも忖度なしの素直な感想は、とても面白かったが物足りない部分も少しあった。淡路の人形浄瑠璃は以前YouTubeで感動したので実物を見たいと思っていたが本書を読んでますます行きたくなった。人形浄瑠璃への伝統と誇りが地域全体に根付いていることが素晴らしい。そして青空と鳴門の青い渦が青春そのものの青さと希望を語っている。それはイブ・クラインの果てしない青のように輝いていた。若さゆえの逃亡が感傷的で・・今すぐ鳴門の渦潮を見たくなること間違いなし。2025/12/27
Natsuko
31
ドリアン助川さんの小説は読了7冊目。結構な割合でマイベスト棚入り、本作も並べた。表紙から青春小説と予想はしていたが、まさか高校の人形浄瑠璃部が舞台とは。よく見れば裏表紙のイラストが最大のヒントだった。複雑な環境で育ち、故郷の皆に合わせる顔がない離れ方をした圭介が50を過ぎ、恩師危篤の連絡に足を踏み入れる故郷。当時さつきと心を寄せ合うも、生い立ちや経済事情で葛藤した圭介だが、顧問の先生や祖母といった、いい大人に恵まれたのが救い。ラストは…かなり似た設定の別作品を読んだ気がして個人的には残念💦2026/05/05
えりまき
23
2026(21)淡路島にある高校の人形浄瑠璃部のお話。淡路島に行きたい!「足十年、左十年、かしら一生や。人形遣いは生涯修行なんや。」 2026/01/21
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
22
どんな話か全く知らずにオンライン予約したら。これぞ著者の真骨頂という物語でした。淡路の人形浄瑠璃部を舞台に、大人の都合に翻弄される子どもたちが足掻く様が描かれています。崩れ落ちることはあっても、心の奥底に埋められたものの輝きによって、再度光の当たる所に戻ることができる。その時々の「好き」や「打ち込んだもの」は一生物の燃料になるというのは、昔からの著者の一貫した主張。淡路の人形浄瑠璃、見に行きたくなりました。2026/05/04




