深海の地図をつくる - 五大洋の底をめぐる命がけの競争

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深海の地図をつくる - 五大洋の底をめぐる命がけの競争

  • ISBN:9784760156467

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内容説明

海は、探検と収奪に満ちている――! 

★『サイエンス・ニュース』2023年ベストブック

★『グローブ・アンド・メール』2023年ベストノンフィクション

★「必読の書。[…]すべてが非常に読みやすく、そして深く不吉な内容だ。」
――サイモン・ウィンチェスター、『世界を変えた地図』著者(『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』より)

★「魅惑的な海の物語。息をのむ冒険、ハイリスクの探検、政治的陰謀が詰まっている。トレザウェイは私たちを海の底へと導き、なぜそこがそれほど重要かを巧みに示している。」
――ヘレン・スケールズ、『深海学』著者

【概要】
地球の表面積の約70%を覆っている海。その海底に目を向けると、2020年代初頭までに4分の1程度しかマッピングされておらず、ほとんどが海岸線近くの浅い海に偏っている。海底の4分の3は、未調査のままなのだ。

“一般的な世界地図は、この地球がすべてマッピングされているという印象を与えがちだ。私は子どものとき地球儀を見ながら、北アメリカのロッキー山脈やアジアのヒマラヤ山脈を表す出っ張りを指でなぞっていたのを覚えている。一方の海はというと、すべすべで何もない青色で示されていた。あの頃は、陸の激しい凹凸が海との境界で終わっていることに何の違和感もなかった。あの滑らかな面は水を表していると、当時の私は思っていたのだろうか? おそらく、何も考えていなかったのだろう。だが、陸の地形の隆起や沈降の激しさが海面下でも続いているはずだということは、今の私にははっきりとわかる。”(第一章 深海を目指す探検)

そして現在、2030年までに「全世界を網羅する完全な海底地形図」を作成するという壮大なプロジェクトが進んでいる。

五大洋の最深部を目指す探検家、北極圏の空白を埋めるイヌイットの猟師、メキシコ湾で潜水する考古学者、大量の水上ドローン、地形の命名と領土問題、情報を秘匿する国家、企業の採掘に抗う活動家たち……

本書は、欲望渦巻く現場に、受賞歴のある環境・海洋ジャーナリストが迫った一冊だ。

“私がノーチラス号でレナート・ケインの横に座っていたときに、はっきりとわかった真実が一つある。それは、地球の海底地形図は、完成させようと思えば今すぐにでも可能だということだ。それどころか、私たちは完成させるためのツールや技術を、すでに何十年も前に手に入れていた。では、なぜ完成していないのか?”(序章)

今、私たちの足元で起きていることすべてがわかる、壮大な海洋ノンフィクション!

目次

序章
第一章 深海を目指す探検
第二章 船を探す
第三章 大西洋の最深部を目指して
第四章 マリー・サープ、そして世界を変えた地図の話
第五章 地球上で最も孤独な海
第六章 海底を命名して権利を主張するには
第七章 北極海の地図をクラウドソーシングする
第八章 海のロボット革命
第九章 埋もれた歴史
第一〇章 深海底を掘る
第一一章 深海底へ、そしてその先へ
終章

原注
推薦図書

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅー

7
★★★世界の深海の地図をつくるには様々な障害がある。そもそも実務的に手間がかかることもあるが、各国が自分の持っている情報を隠したがる。沈没したタイタニック号の発見も、実は軍事目的で海底を調査しているときの副産物だったとか。本書は、各国の勢力争い、環境問題、南北問題などなど、色んな切り口から海底地図の世界を描いていく。そもそも、一般的に人々は海底探検よりも宇宙探索にロマンを感じる。海がニュースなどで注目を集めるのは、もっぱら資源開発の文脈だ。しかし、開発により謎に満ちた深海の生態系が壊れることが懸念される。2026/06/12

mft

6
seabed 2030 は2030年までに全海洋底地図を完成することを目指すプロジェクトとのことだが、できているのはまだ1/4ぐらい。この本はそのプロジェクトに関連して、五大洋の最深部到達を目指すプロジェクト(達成した)、カナダ沿岸部の先住民自身による地域の海図作成、フロリダの沿岸部に沈む遺跡の調査、鉱物資源掘削(日本もやろうとしている)を巡る問題、も取り上げ、というか著者が現地で体験したことを交えて書いたノンフィクション。進まなさは結局必要性(つまりは経済性)の問題ということなのかな2026/01/18

あああ

5
在米ジャーナリストによる、世界海底地図製作に関するドキュメンタリー。前半は筆者自身が実際に海底マッピングの旅に同行する様子、半ばからは、宇宙開発がこれほど進展しつつある中で何故いまだに人類は海底の世界地図を作ることができないでいるのか、そして深海を巡って今も解決されない政治問題と環境問題、考古学的問題など、内容がページ数に対してとても濃い。筆者の「ジャーナリストとして何を伝えるべきか」みたいな葛藤が常に感じられる。2025/12/07

きっしょう

3
海底の地形図を巡る様々な思惑や問題が描かれるノンフィクション。月の情報より少ないと言われる深海をマッピングすることの難しさの原因は技術的、経済的な問題だけではなく、国や企業の政治的思惑なども絡んでいる。ドローンをはじめ技術の進歩でだいぶカバーされつつあるが、海洋生物に与える影響や、環境問題にも考慮しなければいけない現状。 素人からすれば未知の深海へのロマンばかりが膨らんでしまうが、そんな簡単なものではないんだな。2026/05/15

pati yayan

3
2030年までにすべての海をマッピングするという話を追っかけていった本。オーシャンマッパーという職種があることを初めて知りました。深海の地図をつくることで、生物学や地質学、水中古典学等、様々な分野に寄与できる一方で、地図により海底の様子が顕在化することで資源採掘といったきな臭い話も挙がってきて、国際会議における利権の鬩ぎあいがあったりして、その中でバランス感覚をもって記述されている点が好ましい。ただ、本文中に図や挿絵が1枚も無くテキスト一辺倒なのは読み手を選ぶかもしれません。2025/12/01

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