内容説明
たとえままならずとも。あたたかな恋の旋律
人を好きになること。その人のなかに飛びこんでいくこと。
あんな怖いことをよくやったね自分。
「好きだ」と言ってくれる男性と結婚するも、少しずつすれ違っていく心に気づかないふりをして生活を続けようとする「私」に、海辺の別荘で出会った隣人の画家を忘れられない「私」……。
恋に落ち、人を愛することに決まったかたちなどない。
目の前の気持ちに、ただ必死に追いつこうとする人々の姿を描いた6編の短編を収録。
一筋縄ではいかない、珠玉の恋愛小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
190
窪 美澄は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書は、多彩な色の恋愛短編集でした。 オススメは、「海鳴り遠くに」&「天鵞絨のパライゾ」です。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639202692025/12/26
さてさて
190
『その頃の僕は、恋に疲れていた。恋はもういいや、と思っていたし、あんなに大変なこと、もう一度できるか?と誰かに聞かれれば、できません!と大声で答えていただろう』そんな思いの先に、新たな恋をする主人公の短編など六つの恋模様が描かれたこの作品。そこには様々な年齢、境遇の主人公が過去に、現在に恋に囚われていく姿が描かれていました。印象深い表現の頻出にうっとりするこの作品。短編とは思えない圧倒的な読み味に窪さんの上手さを感じるこの作品。『人を好きになること』という言葉の重みを感じさせてくれる素晴らしい作品でした。2025/10/13
hiace9000
161
「恋愛」って、そうそういうものだ。100人いれば(あえて"組"という括りもしないが)100通りの恋や愛があるゆえの、空色ではない”宙”色…。「恋愛とは」を一言で定義することは、齢とともにできなくなる、否むしろしたくなくなる。それでも人を好きになり、そんな自分を否定しながらもどこか愛おしく思うのも人の業。響く讃美歌に合わせ、舞うように紡ぐ窪流六短編。どれもが一筋縄ではいかぬ多様なカタチの恋愛模様。華やかでどこか切ない街の煌めきに、人肌恋しくなる12月。じんわりと沁みるように心温める素敵な一冊から冬が始まる。2025/12/01
モルク
132
いろいろな恋愛の形を描いた6話の短編集。男女間、同性間、甘酸っぱいもの、苦い思いが残るもの…。ストーカーからかくまった脚の綺麗な同じ年齢の女性が実は…の「パスピエ」。働かなくてもリッチな生活の出来る男とバリバリ働きたい女…の「天鵞絨のパライゾ」がお気に入りだが、どの話も癖が強い。60代の私立高校の清掃員を描いた「赤くて冷たいゼリーのように」が切ない。2025/12/09
おしゃべりメガネ
104
なんだかんだと約2年ぶりの窪さん作品です。直木賞受賞後もコンスタントに作品を出されてますが、いつもいつも読むタイミング、キモチにならずスルーしてました。今回はボリュームも少し控えめで、6編からなる珠玉の恋愛短編集なのでサラサラと読めました。でも、そこはさすがの窪さんでただただすんなりとハッピーとは言い難く、どの作品もなんとも言い様のない切なさが滲み出ています。個人的にははとこの「桃子」さんの話が良かったです。他の作品もそれほど読後感は悪くなかったと思うので、それほど構えずに読める一冊かなと思われます。2025/11/29
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