内容説明
自身の手話習得および育児の体験を踏まえ、マクタガートの時間論や生と死の問題を、ろう者(手話)と産む性の視点から考察することを通して、言語モードとジェンダーの制約から人間の定義と哲学そのものを拡張する試み。
SNSや各紙誌書評で話題、忽ち重版決定!
森岡正博氏(哲学者、早稲田大学教授)絶賛!「これはユニークな本である。そもそも手話についての哲学の本が珍しいだけでなく、手話から開けてくる世界把握を、時間の流れや、出産の哲学にまで結びつけるというのはたぶん世界でも初めての試みなのではないだろうか。」
◎書評・メディア掲載◎
2021年11月3日 朝日新聞「じんぶん堂」―三木那由他氏
2021年10月30日 毎日新聞「今週の本棚」―渡邊十絲子氏
2021年10月18日 AERA「福岡伸一の読まずにはいられない」―福岡伸一氏
これまで、哲学は主に音声や文字によって表わされる言語で展開されてきた。また、その担い手の多くは、男性であった。これにより、哲学が失ってきたことも少なくないのではないか――。自身の手話習得および育児の体験を踏まえ、マクタガートの時間論や生と死の問題を、ろう者(手話)と産む性の視点から考察することを通して、言語モードとジェンダーの制約から人間の定義と哲学そのものを拡張する試み。
解説・森岡正博
目次
はじめに
第1部 手話と哲学者のすれ違い
1 声と魂の強すぎる結びつき
声と音の原理的な理解
アリストテレスの捉えた魂の仕組み
不安定な生物の分類体系
2 手話-口話論争のジレンマ
転換点
生き方への誇りとアイデンティティ
3 音象徴と図像性
鱗雲と障子紙のまだら
名前の正しさを保証するもの
声の音象徴
手話の図像性
言語の優位性という幻想
4 原始的な言語への曲解
手話と教育
明白な誤訳
不適切な引用による自説の権威化
不適切なレイアウト
曲解の背景
第2部 時間論を手話空間で考える
5 時間はリアルなのか
手話の空間に見るある哲学者の時間
時間という哲学上の謎
時間の実在性にどう切り込むか
時計を読む子ども達
天才数学者の奮闘
マクタガートの時間論の骨子
6 手話の4次元空間
手話の時空間構造
2つのメンタルスペース
マクタガートの各系列を手話の空間に再配置する
7 問題と言語形式の不一致
A系列の矛盾と困難
手話空間におけるA系列とB系列の不自然さ
マクタガートの時間論と言語形態の問題
[コラム] 日本手話のリズム
第3部 生と死の現実を産む性の視点で考える
8 誰のものでもない現実
夢ではない第1の現実
科学的に暴かれる第2の現実
力としての第3の現実
9 死ぬことと生まれること
第4の現実は出産?
出産以外の第4の現実
10 誰かの出産と私の出産、そして死
出産の類型としての死
文献一覧
解説 手話から見えてくる時間の流れと出産[森岡正博]
おわりに
初出情報
感想・レビュー
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