内容説明
国民皆兵を兵役理念とした近代日本。徴兵制が主体の陸軍に対し、志願兵制度を重視した海軍は、兵士の安定的確保のためにいかなる対策を講じたのか。兵事資料や体験者の証言を手がかりに、志願兵が急増して大量動員を可能にした真相に迫り、地域の視点とポスターなどの宣伝活動をふまえて制度の実態を解明する。戦後の自衛隊員募集の課題にも言及。
目次
なぜ志願兵を取り上げるのか―プロローグ
恩給目当ての志願兵
日露戦争以前の志願兵
日露戦争後の志願兵
就職先としての海軍 軍縮・恐慌
志願者数の減少
海軍志願兵令と恐慌下の志願兵
戦時下の志願兵制度と宣伝活動
海軍の増徴と陸海軍関係
宣伝活動の強化
戦時下の志願兵と地域
志願兵の「供出」
戦時下の志願兵と戦後
日本海軍の志願兵―エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あらい/にったのひと
1
一ノ瀬俊也の本と似たところを見てるな~と思ったら参考文献で出てきていた。明治期~終戦後までの海軍における志願兵に関する制度の本。何人かの採用する側/される側個人の視点や結果が含まれているのもよいですね。この時期の志願兵ですら集めるのには苦労しているので、よっぽど待遇良くするか景気悪くなるか、実際に戦闘行為が起きるまではなかなか…という気もしますが、いずれのシチュエーションも好ましくはなく、やはり平和が一番ですのー、という感じ。あと、「今年度のもの魅力なし」(P113)には笑った。2025/11/02
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