内容説明
犯罪が厳罰化された世界の犯罪とは?
厳罰化が進み「人ひとりを殺したら死刑」という厳しいルールが定着した世界で、殺人者はなにを考えるのか。究極の思考実験ミステリ。
解説=福井健太
単行本 2022年7月 文藝春秋刊
文庫版 2025年10月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
MINA
24
<人ひとりを殺した者は死刑!>という衝撃的な帯文句に釣られて思わず購入した一冊。…なのだけど、いい意味で裏切られたというか期待以上に、めちゃくちゃ面白かった!帯文句から死刑濫発するいたずらに残虐なスリラーテイストではなく、死刑の是非を巡る壮大な思考実験をしているかのような感じ。それでいて5つの短編全てミステリーとしても秀逸で最高なのだから凄い。殺意の有無という胡乱なものは排除して問答無用で死刑、というのは恐ろしいけれど確かに分かりやすくはある。では、反省して改心したら?と私たちにも問いかけてきた気がした。2025/12/08
ぴ〜る
18
人1人殺したら問答無用で死刑になる世界。異様に盛り上がる国民…それは果たして正義なのか…。私は死刑制度に関してはどれだけ考えても答えが出ない。答えが出せずにいる。身内が理不尽に殺されたら間違いなく相手を抹殺してやりたいと考えると思う。それでもその後に残る感情は経験した人でないとわからないのだろう。。。赦すということの意味を深く考える。2025/10/26
ロア
17
ふくろうって漢字、木に鳥がとまってるみたいでかわいい(●´ω`●)ミステリの皮を被った問題提起系の短編5篇。とても面白かったです。死ぬ勇気ないから死刑にしてって考える人は実際いそう。警官にわざと射殺されるとかアメリカでは起こってるし。死刑を望む気持ちはよく分かるけど、私が遺族だったとして、犯人を死刑にしてスッキリ!とはならない。犯人死ね!の願いが叶っても、心は晴れず空しいかも。寧ろ一生をかけて償って欲しいと思う。自殺願望有りの犯人だった場合はその望みを叶える事にもなって、逆に悔しさと無念にとりつかれそう。2026/03/14
NAOAMI
15
「人ひとりを殺したら死刑」という情状酌量もへったくれもない問答無用な厳罰化が進んだ日本。前半の短編で、そうなった際に起こりうるシミュレーションが展開。殺さない(死刑にならない)ように「人生を奪う」犯罪。孤絶した山荘ミステリでの一幕。いじめの首謀者がSNSで晒され殺される(自ら死刑を求める犯罪!)事件が頻発する世の中。姉殺しの容疑者を自ら私刑する若者の葛藤。そこから本題とも言える中篇表題作が始まる。死刑に反対か賛成かという単純化ではなく、死刑を求めず何を求めるのか考えさせられる力作。梟が判る終盤は鳥肌モノ。2026/03/04
left7
14
現実の世界ではないのですがすんなり受け入れられる設定で、ミステリー要素もあり考えさせられる要素もありで貫井さんらしさがとても出ている作品でした。構成についても最後まで読んで納得できるものでしたし、各話ともミステリーとしても社会派小説としても興味深く昔の貫井さんを感じられて嬉しかったです。マイベストは最終話と悩みましたが、「レミングの群れ」にします。2026/03/25
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