男子という闇――少年をいかに性暴力から守るか

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男子という闇――少年をいかに性暴力から守るか

  • ISBN:9784750352817

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内容説明

私たち大人は何も知らない
全米各地で研究者、学校関係者や親子など数百名に聞き取りを行い男子の性加害・被害実態を調査。
男子大学生の22%が入学前に性暴力を振るった経験をもつ国の、語られざる物語を紡ぐ。

「男らしさ」の常識に挑み、あるべき性教育を模索する、この時代の必読書。

目次

プロローグ
第1章 私たちには見えていないもの――少年に対する性的暴行の密かな流行
少年たちが助けを求めない(あるいは「女々しさを見せない」)理由
スポーツの文化
性的暴行は「悪ふざけ」ではない
我々がいまだに信じている、少年に関する誤った常識
男性が声を上げることの重要性
傷ついた町
第2章 少年はいずれ男性になる――生まれ・育ち・少年期を再考する
ホルモンと脳、そして男の子への接し方を無自覚にも変えている親
男の子を成功へと導くために
「マンボックス」と男性の健康
男の子の感情リテラシーを育てる
父親が「マンボックス」を作り上げる、または打ち砕く方法
あなた自身の人間関係が重要な理由
変化の表れ
第3章 性教育の危機――セックスの話をしないことが子どもにとって危険なわけ
セックスについての会話を始める方法
セクスティング――オフラインのエチケットをオンラインに適用する
男の子がポルノなしで自慰行為を練習すべき理由
「性的市民権」について学校で教える
性的自己抑制教育の問題点
新しい性教育――ポルノリテラシー
第4章 若者の心の形成――学校は子どもたちをいかに導き損ねているか
学校で性暴力を無視することの問題点
罰することの問題点
ジョン・ドウ2の場合
別の手段の可能性――修復的司法
第5章 「同意」とは何か――アジズ・アンサリの告発者、グレースから学ぶ
「いや」は必ずしも一つの方法で伝えられるわけではない
オーラルセックスは同意ではない
拒絶にうまく対処する方法を学ぶ
アルコールのせいにできること(とできないこと)
変化の兆し
第6章 人種差別、暴力、トラウマ――親しい関係が少年の心の支えになる
人種、人種差別、そしてアメリカの黒人少年たち
トラウマと暴力の関連性
「取り締まりで現状打破はできない」
「今でも毎日痛みと向き合っている」
銃暴力と家庭内暴力(DV)の関連性
「頼れる誰かがいる」
第7章 ハリーにサリーが必要な理由――男子校が時代遅れにならないために
「女子と関わる方法が分からない」――男女別学教育と社会的スキル
男子校の文化を変革する
男の子とどう話すか
男子校に求めるもの
第8章 少年たちの居場所――男の友情が新たな文化を作り上げる
セクハラの本質
スポーツの力を活用する
学校における「社会性と情動の学習」の可能性
男子にもジェンダーがあることを教える
変革をもたらす力があることを少年たちに気づかせる
少年が少年を導く
エピローグ
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

45
素晴らしい一冊だった。女の子を鼓舞する素晴らしい本がたくさんある中、「男の子がピンクを着てもいいっていう本はないね」と先日娘と話した。探したら「ピンクはおとこのこのいろ」と言う絵本があった。でも、新しい男の子の定義本が必要なんじゃないかなあ…と考えていたところだったので、この本に引き寄せられた。現在のアメリカで男の子を育てるとはどういうことなのか、母親でもある著者とともににふれていける内容だ。黒人少年への恐ろしいまでの偏見をはじめ、アメリカらしい問題も紹介されるが、多くは日本でも見られる問題で参考になる。2022/02/18

in medio tutissimus ibis.

7
女性に解放の光の当たる一方で、男性は未だ匣の中に居る。殊に男子は、性暴力において加害者である一方で被害者でもある。それは親や教育者が性的同意についての踏み込んだ説明を避け、性加害に基準の不明瞭かつ極端な対応をし、そうした説明不足にポルノが入り込むことで少年に誤った信念そして文化が植え付けられ、それが無意識のうちに反復された結果だ。その誤りの根本は、性的な関係を持つ他者が心ある人間であることを忘れ、ガイドラインに従って対応すべきモノとして扱うことにあるが、その出どころこそ大人の子供に対する態度に他ならない。2025/08/22

てくてく

6
著者はアメリカで娘と息子の2人の子を育てる女性。女性をめぐる環境はこの20年でかなり変化し、女性はなんにでもなれるといった励ましはよく見かけられるようになった。それでは男性はなんにでもなれるかというと、男らしさなどの枷がある。そしてマンボックスの弊害については指摘されているが、それを男性自身が受け入れられる形で克服するためにはどうすべきかという点は女性以上に課題が多い。少年が被害者にも加害者にもならず、自分の居心地の良さを実感する環境にたどりつくためにはどうすべきなのか、日本でも考えなければならない。2022/03/14

田中峰和

4
未成年男子への性加害といえば、ジャニー喜多川。それほどネットでは騒がれるが、放送業界では、ほとんど報じられない。一説によると千人を下らないといされるジャニーによる性加害。圧倒的権力者に犯され沈黙を守っていた少年たちの逆襲である。本書ではホモセクシュアルによる性加害に限らず。少年同士による暴力、リンチとして多くの事例が挙げられる。複数の少年たちによって凄まじいリンチを受けた少年たち。モップを肛門に挿入され、出血して病院に搬送されることが頻発する。アメリカでは4人に1人の男性が性被害にあっているという。2023/04/28

tellme0112

4
本の作り手の方々には本当に申し訳ないのだけどかなりはじめの方で、辛すぎて読めなくなってしまった。。。

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