内容説明
不揃いなままで「わたし」が「わたしたち」になる──。
1958年に創刊された雑誌『サークル村』に集った石牟礼道子、中村きい子、森崎和江が聞書きなどの手法で切り拓いた新たな地平を、『中上健次論』が話題を呼んだ著者が「思想文学」の視点で読み解く。
【著者】
渡邊英理
熊本県生まれ、鹿児島県(霧島市・鹿児島市)育ち。大阪大学大学院人文学研究科教授。日本語 文学、批評/批評理論、思想文学論。主要著書に、単著『中上健次論』(インスクリプト)、共編著『クリティカルワード 文学理論』(三原芳秋・鵜戸聡との編著、フィルムアート社)、共著『〈戦後文学〉の現在形』(紅野謙介・内藤千珠子・成田龍一編、平凡社)など。
目次
はじめに
第1章 はじまりとしての『サークル村』
第2章 母の肖像/群像──中村きい子『女と刀』
第3章 連なり越えゆく世界を感受する──石牟礼道子『椿の海の記』
第4章 不透明な他者と女同志の絆──森崎和江『遙かなる祭』
註
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
6
石牟礼道子、中村きい子、森崎和江の思想文学を時空に位置付ける評論。3人に共通するのは聞き書き。それは単に聞いたことをそのまままとめるのではなく、聞いたことから時空の枠を取り払って聞こえたものを書くことだと。対象への憑依が必要なのかもしれない。 3人の中で圧倒的な存在感は森崎和江だ。2025/10/28
HH2020
2
◎ 中村きい子、石牟礼道子、森崎和江の三人の作家を「思想文学」という定義のもとに論じている。三人は「サークル村」に集う仲間だ。中村きい子は聞き覚えがなかったが、石牟礼・森崎の二人についてもっと知りたいと思って本書を手にした。三人のそれぞれ代表的な著書「女と刀」「椿の海の記」「遥かなる祭」を主な題材にして彼女らの思想を分析する。それを要約してまとめるのは私の手に余る。それでも「周縁化」というキーワードは特に印象に残った。著者は大阪大学大学院の教授とのこと、文章はまるで論文のように固いがとても勉強になった。2025/11/21
あまみっく
1
見慣れない単語も多くて読むのに苦労し、私は本書の求める読者ではないのだろうと思いながら読み進めたが、「南九州」の生まれ・育ちという著者のあとがきの言葉には励まされた。がんばって読んでよかった。 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の作品を取り上げているが、同郷である中村きい子については恥ずかしながら名前も知らなかった。ただ、読みながら最も興味をそそられたのは彼女の『女と刀』だった。早速購入したので、年末にでも読みたい。2025/11/25
Hiroki Nishizumi
0
からゆきさんひとつとっても、ジェンダー目線だけではなく国家膨張との関連性の指摘など、自身の読みの浅さを実感した。2025/09/28
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