“心もとなさ”からはじまる心理臨床

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“心もとなさ”からはじまる心理臨床

  • ISBN:9784772421317

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内容説明

知的障害などの発達障害のある人やさまざまなクライエントに支援する、多様なフィールドの心理職が、心もとなさをめぐって思ったり考えたりしたことを、その人それぞれのことばで、できるだけすなおに自由につむぎます。口ごもりながら差し出されたことばが詰まったこの本には、スカッとした解決も、万能なテクニックも、示されてはいません。心もとなさはどこまでも心もとなさのままです。むしろ、さまざまな語りがからまりあい、重なりあって、ページを繰るごとに心もとなさはますますたっぷりと豊かになっていきます。

目次

はしがき  この本を手にとってくださる方がたへ………………中島由宇

序 章“心もとなさ”を考えるこの本について……………中島由宇

第1章“心もとなさ”への気づき――『知的障害のある人への精神分析的アプロ―チ――人間であるということ』から考えたこと
1.はじまり
 “心もとなさ”と“確かな手応え”…………………倉光 修
2.精神分析を土台とした観点から
 “心もとなさ”の教えてくれる心の痛み……………櫻井未央
3.知的障害のある人への心理療法の観点から
  出発点としての“心もとなさ”という発見………中島由宇
4.応 答
 “心もとなさ”の生き残り方…………………………松本拓真
第2章“心もとなさ”をかかえて――現場で模索していること
1.教育現場で
 “心もとなさ”の綾をひもとく………………………櫻井未央 69
2.医療現場で
 “心もとなさ”と共に…………………………………梅垣沙織 83 
3.応 答
  こころを止めないで――弱さでつながり責任を分かち合う……中島由宇
コラム
  つながり,重なる――シンポジウムにご参加くださったみなさんからのことば…………櫻井未央
第3章“心もとなさ”を分かち合う――インタビューから検討したこと
1.先駆的な心理職とのインタビューから
  クライエントとの分かち合いとしての心理療法…中島由宇
2.障害福祉の生活支援員へのインタビューから
  実践を分かち合う試みとしてのインタビュー…廣木 彩
3.応 答
 「わかる」⇔「わかられる」関係を生きること…櫻井未央 149
第4章 わたしと“心もとなさ”をみつめて――心理臨床について思うこと
1.省察の広がり
  心理臨床における「あなた」と「わたし」
  ――クライエントと向き合うとき、心理職は「わたし」であり得るか……………菅沼真樹
2.省察の深まり
 “心もとなさ”は児童福祉の現場でどう生きたか――目指すは〈弱い心理職〉? ……内海新祐
3.応 答
 「わたし」が居て「あなた」が居るという信頼……………中島由宇・櫻井未央
おわりに 不確かな世界と確かな繋がり――発達のおくれを考える………………滝川一廣
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

tu-ta

1
たこの木クラブの連続講座に来てくれた中島さんの本。序章まで読んだ。「心理療法とは、”心もとなさ”をもつクライエントに、そうではない心理職がなにかをしてあげる実践なので・は・な・く・、心理職とクライエントの”心もとなさ”からはじまって、できるだけ対等に近い関係で対話的にやりとりし、わたしとあなたのあいだで分かち合うことばをつむぎだす実践としてとらえっれるかもしれません」(14頁)。「心理療法」と呼ばれるものが何を指すのかわからないが、これはなんとなく面白いはずだし、心理療法以外でも言える話かも。(続く2025/09/07

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