内容説明
大学時代から8年半付き合った婚約者を突然のバス事故で亡くして以来眠れなくなった依里は、デパートの寝具売り場で働くことに。そこには眠りについての悩みを抱える人々が訪れる。夫に言われるままあわない寝具を使う老婦人。愛着ある毛布を手放したことで寝付けなくなった会社員。家族を優先し自分は後回しの母親。そんな折、婚約者と共に亡くなった女性の夫が店を訪れて――元寝具店店員の著者が贈る眠れない夜に寄り添う物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
146
弱そうに見えて実は強く生きていくタイプ?いや、自分の人生だものね、誰かに阿ったり、自分を殺したりして生きて行くのは違う。まぁ、初めから強い人はそういないだろうけれど・・本作はデパートの寝具売り場で働く依里のお仕事小説でもあり、その婚約者が年上の女性と温泉宿泊の帰り事故で亡くなるという衝撃。多くの何故?が絡む喪失と再生の物語でもあった。女性の夫との関わりから見えることのあれこれや、しっかり自分の心を言語化するあたり、あぁ畑野さんだなぁと感じた次第。私も多分枕が合わないと感じてるので依里に相談したい(そこ?)2025/11/17
モルク
129
婚約者がバスの転落事故で急死。しかも出張と称して夫のいる女性との旅行中に…。傷心の主人公は眠れなくなり親身になってくれた店長のいる寝具店で働くことになる。寝具の選び方も丁寧に書いてある。主人公の少し不器用だけど真面目で一生懸命のところが好き。自分の足で歩いていこうとする姿に熱く応援したくなる。でも、あのマネージャーは最低(ああいうタイプって確かにいる)2026/03/10
おしゃべりメガネ
110
ちょっと久しぶりな感じの畑野さん作品。似たような雰囲気の作品を書く作者さんがいないコトもないように感じますが、不思議とやっぱり畑野さんならではな作風を感じます。本作の主人公「依里」は婚約者を事故で亡くし、紆余曲折あってデパートの寝具店でパートとして働くことに。実は婚約者が亡くなったトキ、知らない女性と一緒だった事実もあり、しかもその女性が既婚者だったコトもあり、複雑な心境に。そんな中、寝具店に亡くなった女性の旦那さんが現れ、事態は思わぬ方向に。枕など寝具のコトがとても詳しく書かれているのが印象的でした。2025/12/19
Karl Heintz Schneider
109
婚約者を事故で失った日から依里は夜眠れなくなる。デパートの寝具店で親身にされたことから後日自らもそこで働くことに。「枕は頭を乗せるものとお考えの方がいますが実は大事なのは首の方です。寝ている間は頭を一日中支えてくれる首を休ませてあげてください。」著者は寝具店に二年間務めた経験があるため作中に出てくるセリフにはリアル。小説なのにまるで不眠外来に来ているみたい。畑野さんにカウンセリングしてもらいたい。首の違和感・肩こり・腕のしびれ等に日常悩まされているので多少高くても自分の首にフィットする枕を作りに行きたい。2025/11/17
みかん🍊
97
バス事故で婚約者亡くした依里は不眠に悩まされた時に出会った寝具売り場で働く、事故から2年経ち徐々に平常生活を取り戻しては来て、寝具の知識を得てお客さまに提案する仕事に遣り甲斐は見つけていたが大阪出張のはずが東北の温泉宿に既婚者の女性と泊まっていた事実に傷は癒えていなかった、そんな時女性の夫が偶然現れる、彼と話すうち自分が婚約者に頼り彼に合わせて生きてきた事に気づき、自分らしく自分の為に生きようとする再生と自立の物語である、自分に合ったいい寝具で寝る事で健康にもいいのは理解できるが、お値段がなかなか厳しい。2026/04/14




