内容説明
心に憎しみや恨みや妬みを抱いた者は呪いを使う。
人が病気や怪我をしたり、不幸に見舞われたりするのは、この呪いが原因だ。この世界は人を傷つけようとする力に満ちている。
少年ルヌエはジュージュツを教えるために村を訪れたホンゴ・センシの弟子となり技を学ぶ。
家族を殺され、家を焼かれ、次々と呪いが降りかかるルヌエはホンゴの教えと共に旅立つのだった――。
『近畿地方のある場所について』背筋氏、絶賛!!
「異国の地で伝えられたジュージュツが紡ぐ、絆と呪いーーその狂おしいほどに真っ直ぐで、切実な物語に胸が打たれました」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
29
アフリカを舞台に、少年ルヌエがジュージュツを教えるために村を訪れたホンゴ・センシの弟子となりその技を学ぶ物語。師オンゴの教えに導かれて成長していく少年ルヌエ。家族を殺され家を焼かれる厳しい状況に直面して、居場所を変えて道場を開き、弟子を集めて柔術を教える姿が描かれていて、ヨーロッパ人の支配が終わっても、今度は部族同士での対立が表面化していく、簡単には終わらない業の深さを感じましたが、そんな状況だからこそ自らの強さをどう使うのか、ルヌエからソソラへとしっかり受け継がれるかけがえのない精神が印象に残りました。2025/11/26
わたー
24
★★★★★面白かった。これは正しく石川博品しか書けない作品だったと思う。白人たちの入植を皮切りに生活が目まぐるしく変化していく時代のアフリカを舞台に、ある少年が自分の大切なものを守るための力として、村の権力者に護身術を教えるために招かれた柔術家に弟子入りすることから始まる闘争と呪いの物語。読めば確かに面白いのにニッチすぎてそもそも手に取られにくい作品というところに目をつぶれば、文句無しに面白い。大切なものを守るために力をつけたのに、逆にその力のせいで別の、もっと大きな悪意とか災い…2025/10/16
とも
20
アフリカを舞台とした、柔術に魅了された若者たちの二世代にわたる大河的な物語。 「ジュージュツ」「クロービ」「ナゲ」「ガリ」「ジメ」。もっと爽やかな話かと思いきや、中身はゴリゴリの柔術小説だった。後半は数万人収容のスタジアム戦が登場するなど、スケール感がバグり気味。 もうひとつの「ヴードゥー=呪い」というテーマも多義的に描かれている。ファミリーが呪いといかに戦うか。柔術がその道を切り拓く。なお「ヴードゥー教」とは無関係。 正直なところ、最後までなぜ舞台がアフリカなのかはよくわからなかった。2026/06/20
ほたる
15
読了した今、内から込み上げてくる熱さにやられている。ジュージュツを通して描かれる教える者と教わる者の絆、そしてそれがどこまでも受け継がれていくこと。それをちょっとアレンジした味付けで描いていくのは流石だと恐れ入る。凄みがある作品。2025/10/02
hexia
10
世間の悪意に無敵の力で抗う親子二代の物語。なお無敵の力とは柔術である▼ルヌエは、師匠から学んだジュージュツで困難を乗り越えていくが、悪意は次から次へと降り掛かってくる。その度に師匠のことを想うルヌエの純真に打たれる。そして力を受け継いだソソラもまた、師の想いを胸に悪意を乗り越えていくのが爽快▼まさにアフリカンでブードゥーで、そしてジュージュツの物語だった。一見関係ないものを丹念につなぎ合わせ、物語を紡いでいく、この作者の真骨頂のような小説である2026/01/06




